Vol.78 こんなとき、どうする?「日本にいる父が自宅から緊急搬送。母は在宅介護で認知症③最終編」
海外在住の方から日本で暮らす親御さんの緊急対応のご相談が増えています。3回シリーズで海外在住の方に「どのような壁が訪れるのか」実例を交えてご紹介しています。3回目となる今回は日本の社会で起こる「行政等への対応と相続」についてお伝えします。日本の社会はまだまだペーパーワークが必要。
お父様が他界、そしてお母様への対応。
アメリカで30年以上暮らしているAさん。お母様は認知症で在宅介護。お父様がお母様の介護をされていましたが、お父様が自宅で倒れて緊急搬送。その後、約1カ月してお父様は病院で他界されたため、Aさんは再び日本へ緊急帰国。ここでAさんを待ち受けていたのが行政や銀行などへの届け出です。世の中はペーパーレスがうたわれていますが、日本の社会、特に行政や銀行の各種機関はまだまだ書類での対応が必要になります。Aさんは前回一時帰国した時の日本での経験があったので自分で全てやるのは無理と思い、行政書士と契約していました。戸籍謄本や本籍地での戸籍謄本の附表の取得、お父様名義の銀行口座のクローズなど、山ほどあるペーパーワークを行政書士に代行してもらうことができました。そして、お父様は他界されましたが、今度は認知症のお母様の生活環境を整える必要があります。お父様が緊急搬送されてからお母様は行政が運営する施設に入居していましたが、お父様の葬儀に参列してからお母様は生きる気力を失い、食事することを拒否。よって、施設から病院に移ることになりました。
入院したお母様の対応とお父様の他界後に起こる
アメリカと日本の国を挟んだ相続。
Aさんは今後もアメリカで暮らすと決めていたため、お母様は日本で暮らし続けることになります。今後、お母様の安心で安全な生活をつくるため、Aさんは24時間看護師在中の老人ホームを探し始めます。病院は「治療をする場」ですが、老人ホームは「生活をする場」です。病院で経管栄養をしていた方がホーム入居すると体調が快復される事例は山ほどあります。ただ、今回Aさんはスケジュール的に厳しかったため、お母様のホーム入居は次回の一時帰国時に検討することにしました。そして、Aさんにはやることがまだまだあります。実家の荷物の整理(家財整理)やお父様他界後の相続に関わる対応です。これらは一般の方が対応するのはかなり難しいことばかりです。よって、Aさんは行政書士や司法書士、会計士、税理士など国際相続を得意とする士業の社団と契約して依頼。ここでポイントとなるのは、お母様が認知症であること。認知症の場合、自分の意思表示ができるのか、医師から認知症と診断されているのかなどがポイントになります。ただ、Aさんのお父様は他界前に遺言書を公正証書として残していました。これはとても重要なことです。遺言書が公正証書としてあるか、否かによって、他界後の対応に大きな違いが現れます。Aさんはお父様他界後、5ケ月が経った今も、アメリカと日本で専門家チームとやり取りを続けています。
親御さんが他界した後、ご家族は悲しんでいる暇もないくらいフル回転で動くことになります。ご自分で何とかしようとせずに専門家にご相談することを強くお勧めします。
時代は変わりました。家族だけで介護をする時代は終わりです。
ご家族だけで解決するのは無理です。専門家とチームを組んで前に進んでまいりましょう。私達はいつもあなたを思いっきり応援しています。
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ひとくちメモ ~私の母86歳~ No.77
「母と一緒に老人ホーム見学にいく」の巻③
東京で独り暮らしをしている母。今はまだ生活に支障はないけれど必ず限界が来る。その時はホーム入居してもらいたい娘(私)。そこで母と一緒にホームを見学。その後、母の感想を聞いてみた。「お母さん、この間のホームどうやった?」「結構いい感じやね。陶芸教室のみんなに『娘と一緒にホーム見学に行ってきたの』と話してたんよ。」「でも、あそこは居室のトイレがカーテンやったよね。」「それは全然気にならないわ。」と母。おぉおお!母から好反応が出ました。あんな所いやや!と言われたらどうしようかと思っていたのでほっと胸をなでおろす。第一関門は無事突破です。(続く)










