Vol.76 こんなとき、どうする?「日本にいる父が自宅から緊急搬送。母は在宅介護で認知症①初期対応編」
今年に入ってから海外在住の方から日本で暮らしている親御さんの緊急対応のご相談が増えています。海外在住者の場合、日本在住者と違い、現在の日本の社会では銀行や行政、病院など様々なシーンで次々と壁が訪れます。それはどのような壁なのか、そんな時にどのように対応すればいいのか、実際の実例を交えながら3回シリーズでご紹介します。自宅で暮らしていた両親。父親が緊急搬送。
母は認知症。娘さんがアメリカから緊急帰国。
アメリカで30年以上暮らしているAさん。日本の親族とは疎遠となり、付き合いもありません。お姉様は既に他界しているのでAさんは一人っ子状態。日本で暮らしているご両親は、お父様96歳、お母様84歳。お母様は認知症のため、日中はデイサービスに通いながら、お父様がお母様の介護をしていました。金銭管理や日々の食事・洗濯・掃除・ゴミ出し・お買い物など全般をお父様が対応していました。Aさんが今年の春に一時帰国したときは、まだまだお元気だったご様子。今年、サロンドハースのウェビナ―を見ても「うちの親は、まだ大丈夫」と思っていたそうです。そんな暮らしがある日一変しました。アメリカに住むAさんに日本の救急隊から電話が入り、お父様が自宅で倒れているので救急搬送するとのこと。Aさんは急遽飛行機を予約して2日後には日本着。そして、お父様が運ばれた病院に行き事情説明を受けると、お父様の意識は戻ったけれど言葉が出ない。言葉でのコミュニケーションが取れない状況でした。
そして、そこには日本独特のルールが待ち受けていました。

これができていないと日本の社会では、
スタートラインに立つことさえできない。
Aさんが病院で説明されたのは「身元保証人・身元引受人がいないと入院できない」ということ。「身元保証人」とは、本人を信用のある人という保証をしたり、損害を担う役割。要は本人に代わり金銭的な保証をする人。「身元引受人」とは、本人が病院や施設を退所するときの引き受けや、亡くなった後の手続きなどを行う役割。日常的なちょっとしたサポートを求められることもあります。
Aさんの場合、お母様は認知症のため、お母様が安心して暮らせる生活の場を見つけることも必須条件。それらを解決するには、様々な要件が必要になってきます。
・身元保証人、身元引受人
・日本の銀行口座
・行政関連の各種書類(戸籍抄本など)
・印鑑証明。 など
Aさんの現状は、日本の親族とは疎遠なため、親族で身元保証人や身元引受人になってくれる人はいない。ご両親の銀行口座はあるが、通帳の届出印が分からない。行政関連の書類を取得するためのご両親のマイナンバーカードはあるが、暗証番号は分からない。などなど。そこで、私達は3つの専門家でチームを組みAさんの対応をスタート。①身元保証会社、②士業(行政書士)、③介護(老人ホーム紹介の専門相談員)。Aさんの一時帰国期間は10日間。この間に超スピーディにゴールに向かって動き始め、通常2~3カ月かかるところを10日間でゴールすることができました。これはまさに神業。まるで100m走を1,000本走っている感覚でした(笑)。
時代は変わりました。家族だけで介護をする時代は終わりです。
ご家族だけで解決するのは無理です。専門家とチームを組んで前に進んでまいりましょう。私達はあなたの応援団です。バックヤードでいつもあなたを思いっきり応援しています。
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◆「日本の介護サービスで海外在住日本人を応援するサロンドハース」
[総合窓口:日本]一般社団法人Hearth(ハース)
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ひとくちメモ ~私の母86歳~ No.75
「母と一緒に老人ホーム見学に行く」の巻
東京で独り暮らしをしている母。今はまだ一人で生活できているけれど、必ず限界が来る。その時はホーム入居してもらいた娘(私)。ちょうど母の家の近くに季節の草花を楽しめる母好みのホームがある。「一度母と見学に行ってみよう!」と思ったけれど、私と母の2人より第三者に入ってもらった方がスムーズに行くので、弊社団で提携している介護相談員さんに見学手配と見学同行をお願いした。母が気軽に感じるように「ちょっと仕事の関係で見学しなきゃいけないので、付き合って。ランチの試食もして」と母に伝えると「いいよ」とLINEがきた。よっしゃー!(続く)










