Vol.73 こんなとき、どうする?「日本の親が自宅での介護を希望。何をどうすればいいの?①データ編」
高齢になり介護が必要になると、介護のある生活は自宅(在宅)、施設入居のどちらかしかありません。私は在宅介護には限界がくると実感していますが、「やはり自宅がイチバンいい」という考え方は80代以上の人には今も根強くあります。今回は自宅での介護(以下、在宅介護と表記)を選んだ場合、何に気を付ければいいのか、各種データを交えて3回シリーズでご紹介します。高齢者の転倒事故、イチバン危険なのは自宅
高齢者の転ぶ事故の5割以上が「住宅内」で発生
超高齢化社会となった日本。高齢者の事故も年々増えています。東京消防庁のデータによると高齢者が救急搬送された原因の第一位は「転ぶ事故(転倒)」で、全体の約80%。80歳以上からは年齢を重ねるほど、転ぶ事故は増加しています。また、高齢者の転ぶ事故の発生場所をみると「住宅内」が全体の50%以上、住宅等での居住場所での高齢者の転ぶ事故の発生場所の上位5つは次のようになっています。
【住宅等での高齢者の転ぶ事故発生場所】
①居室・寝室 (22,902人)
②玄関・勝手口 (3,187人)
③廊下・縁側・通路 (2,342人)
④トイレ・洗面所 (1,000人)
⑤台所・調理場・ダイニング・食堂 (898人)
*出典・参考:東京消防庁(救急搬送データから見る高齢者の事故)。・ケガの原因(平成20年~24年)・ケガの場所別発見件数(平成20年)・「ころぶ」事故による高齢者の年齢別救急搬送人員と人口に占める救急搬送人員の割合(令和元年中)

自宅での暮らしは危険が潜んでいる
高齢者にとってイチバン気を付けたいのは2階建ての一軒家
先ほどのデータからも分かるように、高齢者の転ぶ事故(転倒)は自宅(住宅内)で起こっているのが50%以上となっています。また、介護になるパターンとして「転倒→骨折→入院→介護」は上位を占めます。高齢者にとって2週間入院すると筋力の50%以上が失われ、その後、介護・リハビリが必要になります。また、日本の住宅はアメリカと比べると小規模で2階建ての一軒家が多いのも特徴のひとつです。自宅内で2階から1階へ移動する階段は狭く、足の筋力が衰えてきた高齢者にとっては移動が不便になります。また、外から玄関までのたった2段の階段で事故が起こるケースも増えているため、住み慣れた一軒家の自宅から駅近のマンションやサービス付き高齢者向け住宅などに移り住むことを多くの方が選択されています。それでも「どうしても思い出の詰まった自宅(一軒家)で暮らしたい」との希望が強い場合は、住宅のバリアフリー改修など、ハード面やソフト面での環境整備が必須となります。次回はバリアフリーへの住宅改修について、日本の介護保険で費用の一部が給付される手続きや要件などをご紹介します。
時代は変わりました。家族だけで介護をする時代は終わりにしましょう。
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ひとくちメモ ~私の母86歳~ No.72
「母の毒が抜けた!? それでも私の心は…」の巻
高齢の母と娘、色々とあります。昨年、母は私への暴言や言葉での攻撃が激しかったけれど、今は落ち着いてきました。まあ、あれだけ暴言を吐きまくれば、もう出すものは全部出したのでしょう。先日、母の家に行くと母の顔が妙に毒が抜けたというか、柔らかな表情になっていました。ただ、私は母の家から帰ってくるとグッタリとパワーを吸い取られたようになってしまう。自宅の炊飯器でお米を炊こうとすると「あやさんはご飯を炊くのが下手クソ!」と母に言われた言葉が蘇ってくる。意外とハートは乙女であったことに気付いた58歳の春でした(笑)。(続く)

