Whale Watching 2019

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第9回 ポエム・タウン

<成人の部 短歌>


西岡徳江選   初霜の降りたる朝の枯れ野原葉のそれぞれに虹の子宿る   平凡人

佳作   笛太鼓祭りのひびき静まりて夜空を渡る鴨の声聴く   ふじたしづえ

佳作   峪深く落人の如暮らしおり時に都会の喧騒を恋う   石井志をん

岩見純子選   みえぬ糸たぐり寄せてはもどされて結び目多し我が糸車   金子ミツ江

佳作   淡々と始まり終わる一日に突如フラッシュ投げかけた君   古賀由美子

佳作   都合よいとき「としより」になるのねと子にいわれしと敬老の日に   古田和子

ゲスト選者 岩下寿盛選
この国の言葉話せぬ我なればただつつしみて聞く微笑みながら   村本ふみ


成人の部 選者のことば

皆さんの短歌を楽しく選考しました。ベテランの方も初心者もありましたが、歌から皆さんの熱心さが伝わってきました。全体としては、日常や自然を詠んだ歌が多くありましたが、真摯に生活を見つめている歌に惹かれました。短歌は叙情詩ですから、清冽に個性を表現しましょう。皆さんの次回の投稿を楽しみにしています。

「初霜の―」。美しい初冬の景色を詠んでいる。“虹の子宿る”の表現に作者のやさしい眼差しがある。

「笛太鼓―」。視線が地上から上空へと移り動きがある。祭りを終えた静けさに鴨の声が良く調和している。

「峪深く―」。人間界から離れて暮らしても、時に人間の満ちる喧騒が恋しくなる。静寂と喧騒の対比が良い。(西岡徳江)

たくさんの新しい発見や違った趣の歌があって、楽しく選歌をした。助詞や言葉を一つだけ変えたり、言葉の順番を置きかえるだけで、内容がもっとよくなる歌も多数あった。次会も楽しみにしている。

「みえぬ糸―」。日々の暮しの中で、力いっぱい頑張っている作者を想像した。「我が糸車」を作者の暮しにたとえた短歌。良い兆しが見えても、困難なことや問題「結び目」が多くまた元の状態に戻されてしまうのだ。一首全体の言葉の流れもよく着想がユニーク。

「淡々と―」。「フラッシュ」はどんな突然なニュースだったのかと想像した。愛の告白又はデートの誘い・・。フラッシュの代わりに具体的な何かを入れてもいい。「投げかけた君」が新鮮な響きを持つ。

「都合よい―」。他の人の話を歌にされたと思うが、この歌を作者が子にいわれた歌にすると、「都合よいとき年寄りになるのね」と子にいわれたり敬老の日に。となり、もっと身近になる。着眼がおもしろい。(岩見純子)

みなさん、上手ですね。思っていても書けないです。自分の思っていることを素直に言葉に表してくれたと感心しています。現在、私は南加県人会協議会の会長をさせていただいていて、いろいろな所に行くので、日本語で自分を表現することの難しさを感じています。

「この国の―」。自分と重なりました。もう一人の自分をこの短歌にみた感じがして、とても身近に感じられて、すぐにこれだと選びました。自分と全く同じ感じがしました。きっとこの方もアメリカ滞在が長いのかなと想像しました。私は渡米48年を今年で迎えました。もうすぐ半世紀になります。48年間、アメリカにいてなんで英語がわからないのか、よく聞かれますが、私は庭園業を営んでいて、お客さんとも話すことはなかったし、家庭でも日本語を話しますし、所属している日系の団体もほとんど日本語です。自分のことを短歌で詠んでくれた感じがしました。(ゲスト選者・岩下寿盛)


<青少年の部 短歌>


岩見純子選   ドリブルで風を切り裂く気持良さ仲間と共にゴールへ迫る   鈴木開斗

佳作   叫び声背後に迫るハロウィンの闇に浮かぶはゾンビ集団   田中澪

佳作   ハスの葉でカエルの親子一休み傘を片手に梅雨を楽しむ   酒井隆成

西岡徳江選   ベル鳴らしドアの奥からシナモンの香り漂うハロウィンの夜   田中澪

佳作   叫び声背後に迫るハロウィンの闇に浮かぶはゾンビ集団   田中澪

ゲスト選者 岩下寿盛選
ハロウィンに張り切る母は早々と準備完了そわそわと待つ   田中澪


青少年の部 選者のことば

若々しくて、エネルギッシュな短歌に感動した。もっと、たくさん青少年の短歌を読みたいと思う。短歌ができたら、少し時間をおいてまた読み返すことを勧める。そうすると、直した方がいい所が見つかる。

「ドリブルで―」。下の句「仲間と共にゴールへ迫る」には迫力とスピード感があり、また、チームスポーツの協調性も出ていて素晴しい。応援席で、声を張り上げている家族や友達の声援が聞える。

「叫び声―」。ハロウィンの夜の描写が巧み。怖々もらったキャンディーはさぞかしおいしかったことでしょう。

「ハスの葉で―」。よく観察している。上の句「ハスの葉でカエルの親子一休み」が特にいい。(岩見純子)

歌は未だ未熟な面もありましたが、表現に個性が見られました。ハロウィン、ゾンビ、シナモン、ドリブル、シュートなどの言葉を用いた歌に新鮮さを感じました。固定観念にとらわれない、柔軟な歌を楽しみにしています。

「ベル鳴らし―」。シナモンの香りと秋の調和が良い。香りから何か楽しいハロウィンの夜が想像できる。

「叫び声―」。こんな光景がハロウィンにあると、ゾクゾクと楽しさも倍増するだろう。(西岡徳江)

「ハロウィン―」。この句を読んだ時、30数年前の我が家みたいな感じがしました。いろいろとメイクしてコスチュームを着てるのを見て、親でもけっこう楽しめる感じがしました。友人たちと一緒にソワソワしたり、カボチャを削ったり。できは家内の方が上手でしたが、当時を思い出しました。(ゲスト選者 岩下寿盛)

俳句 ゲスト選者

guest-haiku

岩下寿盛さんプロフィル

滞米48年。鹿児島県出身。南加県人会協議会会長(2012〜2013年)。元鹿児島県人会会長(2004〜05年、08〜09年)。大正クラブ副会長、南カリフォルニア昭和会理事。趣味はスポーツをすること。特に野球が好きだが、今はゴルフ。スピーチコンテストの審査員は経験があるが、文芸、短歌の選考は初めて。渡米当時は英語学校に通っていたが日本人学生と話したが鹿児島弁が通じず、日本語の標準語を渡米後にまず学んだ経験 あり。



<成人の部 日刊サン選「スポットライト短歌」>


あの星の小さき煌めき欲しきもの我が歌の上の糧になるやも   シールス由利子

腰折りてとどかぬ部屋の隅のちり老うと云うことここにもあるを   林田キミ江

蘇るこの歌聞いてたあの頃に通勤途中の日本語ラジオ   尾崎よしみ

ゆく雲の余光届きぬ茜色いにしへもかかる夕焼け残すや   神野豊子


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