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第21回 ポエム・タウン

<成人の部 短歌 入賞作品>


西岡徳江選   滑りつつ回転ドアーをくぐるとき胸に浮かびし人魚がよぎる   岡本啓三郎

佳作   下向きにつつましく咲くすずらんよ叶えて欲しき春の願いを   芙佐子スティヴンソン

佳作   木漏れ陽を命の糧と冬を越す 無心に生きる幼木眩し   たなか きんいち

岩見純子選   該当なし

佳作   真夜の空つぎつぎ出で来るオーロラを大空にいるごとただただ見つむ   工藤紀美子

佳作   熊本城かろうじて立つ姿見よ!大地踏みしめ頑張っている   森清乃

佳作   半年かそれよりかかる医者の読み四ヶ月(しかげつ)癒し信じ始める   アーサー中根


日刊サン選努力賞


みる夢は常に現役時代なりよくぞ渡りし危険な橋を   神野豊子

征きし息子と植えし桜は郷に咲き勲功の魂は靖国に咲く   生地公男


選者のことば

―選者・西岡徳江

歌は一読して、読者に共感を得られるものが良い。あまり凝りすぎたり、説明を入れると、詩本来の表現から遠ざかってしまう。五感を研ぎ澄まして、素直に詠ってみよう。

「滑りつつ―」。想像をかきたてる短歌だ。作者自身の創造力も豊かで、真っ青な海の中をくぐっているような気分になる。人魚がこの歌を引き立てた。

「下向きに―」。素直に詠んでわかりやすい。春の願いが何かを読者に想像させる余地があって良い。ただ、“下向き”と“つつましく”の両方を言わないで、どちらかは省力した方がよい。

「木漏れ陽を―」。小さな生命へのまなざしがやさしい。木洩れ陽を命の糧と説明すると歌が固くなる。例えば“木漏れを陽受けて静かに冬を越す”ぐらいの表現が適切だ。

―選者・岩見純子

今回の投稿歌の中には、気持や言葉が先行して、内容が分かり難い歌もありました。作者は、まず、自分の言いたいことを詠み込むこと、そして、読者が分かる歌を作ることが作歌の第一歩です。また、字余りや字足らずの歌もかなりありました。歌の基本である、三十一音になるように努めましょう。

「真夜の空―」 。四句は少し長いので、考え直すともっといい歌になる。オーロラを感動しながら見つめている作者がよく表れている。

「熊本城―」。 分かり易い口語短歌。熊本地震で震災を受けた城の歌。

「半年か―」。初句から二句までは、医者が話した言葉なので「半年かそれよりかかる」と、鍵括弧をするか、または、二句の後に助詞の「は」を入れ、「それよりかかるは」としたら内容が分かり易くなる。着想が面白い。



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