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詩の窓辺・第10回

室生犀星


五月 室生犀星


悲しめるもののために
みだりかがやく
くるしみ生きむとするもののために
ああ みどりは輝く。

 一九一八(大正七年)、三十歳の室生犀星は浅川とみ子と結婚。同年一月に『愛の詩集』を刊行。この詩集の序文に、犀星は自己の詩観を述べている。
「自分の詩の根本は、苦悶でみなぎっている。自分の苦悶は永久で、泉のように無限であろう」
「五月」は、五年後に刊行した『青き魚を釣る人』の中に収められている。自然界の美しさは、煩悶する心の窓に、この上なく美麗に輝き、みどりは蒼翠に輝く。五月の新緑は苦悶する犀星の心を慰めたのである。
犀星の苦悶は永久で、泉のように無限だが、五月に輝く樹木の蒼翠も、「ああ みどり輝く」永久無限と詠っている。



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