Whale Watching 2019

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第14回 ポエム・タウン

<成人の部 短歌 入賞作品>


岩見純子選 海越えし和紙の茶袋懐かしく封筒と為し文を送りぬ   浅子 恵

佳作 積雪に耐えた幼木輝きて身の丈なくも大樹のごとし   たなかきんいち

佳作 祈るしかできない日々がもどかしくだけど母には祈りしかない   古賀由美子

西岡徳江選 預りし犬「イヴ」君とふざけ合う飼主気分のわれの一日   工藤紀美子

佳作 降る星を見つめ背伸びし飛び上がるキャンプ最後の思い出創り   たなかきんいち

佳作 復興の誓い新たに打ち上げる花火鮮やか北の夜空に   麻生三晴

ゲスト選者 石澤瑞穂選 苛立ちて補聴器投げつけ罵倒せば診ないことよと我が耳告げる   シールス由利子


成人の部 選者のことば

―選者・岩見純子

他の人の歌の良し悪しは分っても、自分の歌のことは分りにくいもの。だれかに添削をしてもらったり、歌会に出席していろいろな意見を聞くことは、歌の上達に必要と思う。
「海越えし―」上品な色彩や図柄の和紙の茶袋を封筒にした文を受け取った人に、和紙の温かい触感やお茶の残り香も伝わっただろう。日本を古里に持つ者の共通した懐かしさが和紙の茶袋にはある。着眼がいい。
「積雪に―」。積雪に耐えて、大樹のように強く生きている幼木を愛しく思う作者の気持がよく表れている。秀歌。
「祈るしか―」。人はだれもが祈る気持を持っている。祈ることしかできない時もある。もどかしさはあっても、作者の母は祈りの力を知っているのだろう。

―選者・西岡徳江

うれしい、楽しい、美しい、悲しいなどの言葉を使わないで、他の言葉でその気持ちを表してみよう。具体的な言葉で表現をして、個性ある作品を詠んでいってほしい。
「預りし犬―」 犬に君をつけて、人間と犬との親密感が表現できた。人間も犬もさぞ楽しかったことでしょう。
「降る星を―」 キャンプの開放的な気分を詠んだ。見つめ、背伸び、飛び上がるの動詞を3つ用いて躍動感が出た。
「復興の ―」 多くの人々の願いが込められている。再生を願う歌だ。

―ゲスト選者・石澤瑞穂

夏休みや、夏の終わりを告げる雰囲気の短歌が多かったので、日常らしさが際立って見えました。頑張って長生きしたからこそ詠める、日常のほんの一瞬をうまく捉えているなぁと思いました。当たり前に出来ていたことが出来なくなる自分への苛立ち、でも最後は少し微笑ませてくれる締めくくりの仕方。さすがだなぁと思いました。日本にいる祖父母に早く会いたくなりました。


<日刊サン選 スポットライト短歌>


ラスベガス昼は真夏の一一〇度F夜は涼しやミード湖の風   ワーレス信子

雄大な火口はそこここ白煙を噴きつつ悠久の姿見せいる   小池美代子

せみしぐれ心にしみる杜行かば日の丸揺らす神霊の風   生地公男

詩あれば余生も楽しロスぐらし集大成へ一歩踏み初む   鈴木ロジー

木枯しにかさかさと舞う落葉の枯立の街は夕暮のなか   山崎萬里子

やわらかいオレンジ色の猫の背を思わす丘がわが州の夏   古田和子

朝顔と夕顔共に背競べどちらが先に天に届くや   キャシー中原

今さらに本命とえず嘗をとれば共に長寿の喜び謳う   日高かおる

娘の行く手悲願幾年耐え降りぬ今度こそはと今日も励みつ   浅子 恵

人の生誰とも代わる事は無く早くも遅くも何かの形で   神野豊子

歳のせい月日経つのが早くなり三途の川も目前なりか?   詩月直竹

大切な人が心に棲みはじめ凹むたんびに力をくれる   古賀由美子


俳句 ゲスト選者

guest-haiku

石澤瑞穂さんプロフィル

秋田県出身 相模女子大学3年
趣味 読書、好きな作家は江國香織。
9月にインターンシッププログラムでロサンゼルスに滞在。


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