スポーツビジネスコンサルタント（元LAドジャース職員） パシフィックリーグマーケティング株式会社 海外事業開発ディレクター 佐藤弥生氏 特別インタビュー
2022-03-11
佐藤弥生さんといえば、ドジャースタジアムで「ジャパンナイト」が開催された時など、ドジャースと日系コミュニティとの橋渡し的存在だったことが頭に浮かびますが、どのような役割をされていたのでしょうか？
橋渡しをすること自体が仕事だったわけではないのですが、日本人職員として日系コミュニティのためにできることを常に意識していたので、「ジャパンナイト」の企画も私が引き受けて毎年工夫しましたから、そのように言っていただけて嬉しいです。計１３年の在職中、前半はアジア部でスカウト活動のコーディネーションなどチーム強化や編成に関わるベースボールオペレーションの仕事、オーナーが変わった際にはコーポレートパートナーシップ部に異動して営業やアクティベーションの仕事をしました。ただそれ以外の様々な球団の業務についても、「ジャパンナイト」の企画も含め日本やアジアに関することは私が担当することも多く、実際何が主な職務なのかはっきりわからなかったかもしれませんね（笑）。
ドジャース時代の思い出やエピソードは？
沢山ありすぎますが、印象深い場面の多くは超満員のスタジアムの熱気と共に思い出されますね。退職後すぐにパンデミックとなり、無観客のスタジアムをテレビで見て、当たり前だった光景がそこになくてショックでしたから余計に特別なことだったんだと思えます。ようやく平常が戻りつつありますので、MLBは現在ロックアウト中ですが、１日も早く交渉が成立してシーズンが開幕するといいなと思います。
現在はどのような活動をされているのでしょうか？
独立して、スポーツビジネス関連のコンサルティングをしています。パ・リーグ６球団の合弁会社であるパシフィックリーグマーケティング株式会社（PLM）の海外事業開発のお手伝いもしていて、FTFというスポーツチャンネルと契約してパ・リーグ主催試合をアメリカでも無料で視聴いただけるようになりました。英語の実況がつきますから、是非アメリカ人の友人と一緒に観ていただいて、日本が世界に誇れるスポーツコンテンツであるプロ野球（NPB）のレベルの高さを紹介してもらえたら嬉しいですね。NPBを知らない人でも「大谷選手もプレーしていたリーグだ」というと、ピンときて興味をもってもらえるのではと思います。またPLMでは「PLMキャリア」というスポーツ業界に特化した就職・転職紹介サービスも展開していて、現在アメリカにいて将来日本のスポーツ界で働きたいと思っている方へのキャリアアドバイスもしています。
『DX時代のスポーツビジネス・ロー入門』という本が年初に出版されたと伺いました。どんな内容なのですか？
NFT、ファンタジースポーツ、スポーツベッティングなど世界で急速に拡大しているDXを活用したビジネスの内容や、日本で推し進めていくために必要な法的な基礎知識を概説しています。難しそうに聞こえますが、幅広い層に読んでいただきやすい入門書ですので、アメリカでスポーツビジネスを勉強している学生さんや新しいビジネスに興味のある方、単にスポーツが好きな方までぜひ読んでみていただきたいです。これらのビジネスは今後日本でも大きな収益源となる可能性が期待されており、１月終わりには大手企業30社が参画してスポーツ産業の拡大に向けた議論や課題解決を目的として「スポーツエコシステム推進協議会」が発足し、私もアドバイザリーボードメンバーに就任しました。スポーツ産業が経済を活性化し、収益や税収が効果的に社会に還元されるために、できる限りの貢献をしてきたいと思っています。
PLMのホームページに、今年のスローガンが「The Sky’s the Limit.」とありました。
名古屋の高校卒業時に出会った言葉です。なかなか常に上を目指して突き進み続けるのは難しいですが、今は特に自分をプッシュすべき時期だなと感じた時には、この言葉を自分にリマインドするようにしています。
３月２３日の倫理法人会モーニングセミナーでは、どのような事をお話しされるのでしょうか？
私のこれまで辿ってきたキャリアについて、攻め時と守り時をどう意識してきたのかと、今後の目標や大切にしていきたいことなどをお話したいと思っています。
（セミナーはQRコードからお申し込みできます）
