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特集記事



JANMへ行こう!! vol.65 - 日系アメリカ人二世は特別な世代②


今月のガイド
メリー・カラツ さん

日系二世。25年間、JANMでボランティをしている。JANM建設のための資金集めに貢献。1997年、夫のジョージさんと共にMuseum Family Awardを受賞。1998年には、その年に最も貢献したボランティアに与えられる最高のボランティア賞、 Miki Tanimura Outstanding Volunteer Awardを受賞。




今も思い出す辛い記憶



JANMのウェブサイトキャンペーングループのみなさん
私はさまざまな団体でボランティアをしましたが、特にJANMとGo For Brokeの2つは私にとって大切です。主人のジョージは第二次世界大戦中にアメリカ軍日系人部隊の第442連隊戦闘団に所属していましたから。
Go For Brokeの家族同士は、とても親密な関係です。リユニオンをハワイのホノルルとラスベガスで交替で開き、私は毎年参加していましたが、もう誰も残っていないので、今年は初めて参加しない年となりました。

リユニオンでは、日系人部隊の兵士たちの体験談を聞くことができました。彼らは当時のことはあまり語りませんでしたが、どれもとても興味深い話でした。主人も戦争中のことは良いことは話してくれましたが、それ以外のことは話しませんでした。けれど一つだけ話してくれたことがありました。ジョージの任務は、戦死した兵士の亡がらを運ぶことでしたが、一番辛い仕事だったようです。ある時、亡がらを見ると、そこにいたのは親友だったそうです。これだけです、ジョージが話してくれたのは。主人には本当に辛い仕事だったと思います。
また収容所の話をする人もいました。収容所のことを“キャンプ”と呼びますよね。“キャンプ”と聞いたら楽しそうですよね。リユニオンでは、多くの人が泣いています。毎年、マンザナ収容所へのツアーもありますが、今でも多くの人が、辛い記憶のために泣いているんですよ。
日々の生活の中で私への偏見があると分かると、今はすぐに抗議をして間違いを正します。しかし昔はそのままにしていました。小さい頃、大きなプールには「白人だけ」というサインがあったのを覚えています。私たちはそれを受けいれて何も言いませんでした。


語らなければ誰も知らない



GO FOR BROKEのリユニオンでのカラツさんの夫のジョージさん
戦争中に日系人が収容されたことを、私たち日系人は最近まで誰にも話しませんでした。
私たちが話し始めた主な理由は、子どもたちのことを考えたからでしょう。私たちが、今、話さなければ、過去に何が起きたのかを誰も知らないことになるでしょう。私たちが話さなければ、誰も知らないのです。ほとんどの方が亡くなってしまったから、もうすでに遅いかもしれませんが…。
現在、たくさんの学生たちがJANMへ来館しますが、彼らは戦争について全く知りません。20、30年経ったら、もう誰も知らなくなります。もう二度と、あのようなことが起きないためにも私たちの経験を話すことはとても重要なことだと、私は強い思いを持っています。

私の孫たちは日系史にとても興味を持っていて私の話を聞きます。よくJANMにも来ますし、質問もしてきます。今はひ孫もいるので、ひ孫が成長したら私が話をしてあげたいと思っています。孫と日系史について話せるのはとても嬉しいですが、もっと前からすれば良かったという気持ちもあります。私の子供は全く関心を持ってはくれませんね。けれど私たちのせいです。私たちが自分の子どもに話さなかったから。

JANMのボランティアのみなさんと記念撮影=JANMボランティアルーム
JANMのボランティアを始めて、多くの人々があまりにも日系史を知らないことに気がついたので、今は私たちの歴史を人々に知ってもらいたいと思っています。私たちが若い頃は、子育てなどでとても忙しくて、そんなことは考えもしませんでした。
JANMのボランティアは主人が先に始めました。当時、私はまだ仕事をしていたので。彼はJANMが日系人部隊の話をきちんと展示に含むようにと、JANMのボランティアになったと思います。彼はJANMに対して、強い信念を持っていました。
JANMはとても重要なので、私たちは家族や友人などに寄付をお願いしました。JANMボランティアでチームを作り、目標額を決めて資金集めをしました。当時はJANMの建物自体もなかったので、資金集めも難しかったのですが、私個人のためではないので、いろいろな方にご協力をお願いしました。
そんなある日、私が長年にわたり勤めたYMCAのプレジデントがWeingart Foundationに移ったので、彼にも寄付をお願いしました。するとJANMの意義を理解してくださり、大きなご支援を頂くことができました。


JANMの重要性



JANMには語り継がなければならないストーリーがたくさんありますが、日系史を語り継ぐ若いガイドが不足しています。若い人たちは勉強に忙しくて他のことに興味を持つ時間がないかもしれませんが、このままではガイドがいなくなってしまうのではないかと心配です。私の子供の世代では異人種間の結婚が多いので以前のように夫婦共に同じ関心事を持つ機会が減少していることも原因かもしれません。しかし2001年9月11日の同時多発テロ後、アラブ人を収容所へ入れる動きがあったのですから、再びありえるのです。


写真・文・構成 Tomomi Kanemaru(日刊サン)


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JANMに行くと日刊サン読者にプレゼント!

入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、『ワシントンへの道 ~米国日系社会の先駆者 ダニエル・イノウエ議員の軌跡 ~』と『知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人』の2つの日系移民史ドキュメンタリーが入ったDVDを特別プレゼント。昨年末に亡くなった大統領継承順位第3位のイノウエ議員のインタビュー入り。非売品なので貴重なDVD!
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。




JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。

100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)

★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645

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