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特集記事



JANMへ行こう!! vol.28 - 日系人の「我慢」「仕方がない」の意味を学ぶ


今月のガイド
リチャード・ムラカミ さん、マサコ・ムラカミ さん

リチャード・ムラカミ 1932生まれの日系三世。元カリフォルニア州の監査官。ツールレイク、ジェローム、ハートマウンテンの3カ所の収容所を移転した稀な経験をした。

マサコ・ムラカミ 1934年生まれの日系三世。元家具店マネージャー。JANMの初代ボランティアの一人。ツールレイクの収容所では日本人が教える学校に通ったので日本語を話す。



―ムラカミさんご夫妻は、JANMでのボランティアがご縁で、結婚されたそうですね。

リチャード「JANMで出会って、1997年に結婚しました」

マサコ「JANM創立以来初のボランティア同士の結婚でした」


―素敵ですね。いつからボランティアを始めたのですか。

マサコ「私は1986年、博物館ができる前から博物館の建設費を募る委員会でボランティアをしていました。私の上司がすでに博物館オフィスでボランティアをしていて誘われたんです。私は初代ボランティアのグループですね」

リチャード「私は1994年からです。退職したらボランティアをしようと決めていて、どこでするか迷っていました。当時、私の部下にとても一生懸命働く夫婦がいて、彼らはJANMでボランティアもしていました。こんなに働く二人がボランティアしている所には、きっと何かがあるにちがいないと思いました。またJANMには情熱を持ったボランティアもいて、この3人に感激してJANMに決めました」


―二人とも日系三世で、強制収容を体験しています。収容所でリチャードさんはお母さんから「我慢」とよく言われたそうですね。「我慢」「仕方がない」を日系アメリカ人から聞きますが、これはどのような意味で使うのですか。

リチャード「『我慢』を英訳すると“To Endure with Diginity”です。日系人は一世から受け継いだ文化的精神を持っています。それは最善のことを行い、最善を尽くし、最善の結果を出すことです。これが『我慢』する意味の一部です。私たちはできる限り最善の人生を築いてきました。とても肯定的であって否定的ではありませんでした。人は否定的になりがちですが、日系人はなりませんでした。これの性質は一世や私たちの両親から来ています。 これが、私にとっての『我慢』です。“Diginity”とは私にとって、文句を言わず、将来、良くなるように最善を尽くすことです。だから戦後に収容所から出た後、日系人は降下せずに上昇したのです。これが日本の文化で、日本の精神だと私は信じています。また日系人で構成された第100歩兵大隊、第442連隊戦闘団、アメリカ陸軍情報部がなかったら、今の私たちはありません。ある日系人は、UCLA工学部卒業後もスーパーで働くしかありませんでした。しかし戦後は飛行機メーカーでエンジニアとして雇用されました。彼らは、他の二世や若い世代が仕事を得るための扉を開けました。私は一世や二世に大きな恩を感じています。彼らに感謝し、尊敬しています」

マサコ「『仕方がない』は、日本では否定的な使い方がされますが、私たちは、困難にもかかわらず、前進して向上しようという意味で使います」


―同じ日本語ですが日本と違い、肯定的でガッツを感じます。

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もっと知ってJapanese American!

「山崎豊子著『二つの祖国』の実像を追う!①」


山崎豊子が書いた『二つの祖国』は太平洋戦争を通してアメリカで暮らす日系一世とアメリカで生まれた二世との自国への思いやアイデンティティーの違いなど日系人苦闘の歴史を史実をもとに描いた小説である。主人公の天羽賢治は架空の存在だが、そのモデルとなった人物の実像を追う。

「アリゾナ砂漠は、太陽と砂だけが生きていた」で始まる『二つの祖国』第一章「ジャップ」のなかで、天羽賢治は1941年12月7日の日本軍による真珠湾攻撃のその日から敵国人としてFBIに逮捕され、アメリカ軍キャンプに収容された。そこで行われた審問官の質問に「あなたは、ここ数年来、外国人土地法反対のキャンペーンを続けてきましたが、それを通して、日本人の反米感情を煽ろうと意図したのではないですか」とある。

実際、真珠湾攻撃直後に危険人物としてFBIに逮捕、連行された日本人リーダーの数は1291人にのぼるとされる。「外国人土地法反対キャンペーン」の言葉から推測するに、『二つの祖国』のモデルになったのは、加州毎日新聞社社長の藤井整氏と思われる。

日本人を祖先に持つ日系人男性が逮捕され、警察から身体検査を受けた=1941年12月7日(Courtesy of Wide World Photo)
藤井氏はアメリカで不当に扱われる日系人同胞を救うために、弁護士を目指した。しかし、当時、一世はアメリカ市民権を取得できなかったことから、弁護士の道を断念した。だが、その想いやみがたく言論で世論を変えようと新たに新聞社をロサンゼルスで立ち上げる。それが1931年設立の加州毎日新聞社(California Daily News)である。彼は日系人擁護の論陣を張り、同胞を助けるための活動に奔走する。その渦中に太平洋戦争が勃発し逮捕されてキャンプに送還された。

戦後の1948年、藤井氏は長年の懸案であった外国人土地法(排日土地法)を覆す訴訟を起こし勝訴する。これによって日系人一世もアメリカでの土地の購入が可能となったとされる。

彼は長年の夢が叶い、1954年に帰化が承認され、晴れてアメリカ市民になれた。しかし同年、彼は永眠。アメリカ市民として生きたのはたったの50日間だった。
2012年、藤井氏の日系人擁護の功績を長く残していきたいとして短編映画「リトル・トーキョー・リポーター」が、中国系アメリカ人のジェフリー・ジー・チン監督、日系人のクリス・タシマ主演で製作され、各地で上映された。

藤井氏の起した加州毎日新聞社は、1990年代に購読者減少により休刊となったが、1980年代に記者の一員として編集に携わった豊田浩美氏は取材に対し「日系人を不当に扱う当局に対し断固戦い抜いた藤井社長の存在は後に続く私たちの鏡です」と語る。
いかなる不当な扱いにも人間としての誇りを失わず戦った藤井氏の姿は小説に描かれる天羽賢治の姿と重なってみえる。

『二つの祖国』
1980年から1983年まで「週間新潮」に掲載された山崎豊子の小説である。山崎は、この小説を書くにあたり、ロサンゼルスに半年以上滞在し、関係者や関連の地域、建物を丹念に調査し、辛抱強く取材を続けたと聞く。
この本を題材にNHK大河ドラマ「山河燃ゆ」が1984年に放映された。その際に加州毎日新聞社は撮影にそのまま使われたといわれる。



写真・文 HIROTAKA AKAIWA 写真・文・構成 TOMOMI KANEMARU


JANMに行くと日刊サン読者にプレゼント!

入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、『ワシントンへの道 ~米国日系社会の先駆者 ダニエル・イノウエ議員の軌跡 ~』と『知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人』の2つの日系移民史ドキュメンタリーが入ったDVDを特別プレゼント。昨年末に亡くなった大統領継承順位第3位のイノウエ議員のインタビュー入り。非売品なので貴重なDVD!
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。




JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。

100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)

★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645

2014/03/15 掲載

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