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JANMへ行こう!! vol.27 - 歴史から学び、自分は何ができるのかを考える


今月のガイド
ボブ・モリグチ さん

日系一世の父と二世の母を持つ82歳。サンフランシスコ出身で元薬剤師。コロラド州アマチ強制収容所(正式名称はグラナダ収容所)に入れられる。朝鮮戦争中は徴兵されてワシントン州の軍隊のM.A.S.H.(Mobile Army Sergical hospital)に勤務。戦後はJapanese American Citizens Leagueのサンフェルナンドバレー支部の会長を務め、人権についての活動を行う。



―モリグチさんは強制収容など自分自身の体験について話始めたのはいつごろですか。

「1948年、高校生のときでした。当時、スピーチ・コンテストがあって、何を話そうか悩んでいました。そこで収容所でのこと、収容所を出た後の私の体験を話すことにしました。みんな、最初はとても驚きましたが、反応はとても好意的でした。当時は、まだ日系アメリカ人への差別がありました。例えば、戦死した兵士の名前を町中に知らせるのですが、そこに日系人の名前は含まれませんでした」

―アメリカ人としてアメリカのために命をかけて戦ったのに…。やるせないです。

「私は幼い頃に強制収容の体験をしたので、成長するとジャパニーズ・アメリカン・シチズンズ・リーグ(JACL)に所属して、さまざまな差別や人権問題について活動しました。1968年にはサンフェルナンドバレー支部の会長も務めました。第二次大戦後、アメリカはソビエト連邦と冷戦状態になり、共産主義への脅威が高まりました。1950年には、アメリカに危害を加えるかもしれないと疑わしい共産党員をアメリカ政府が逮捕できる法律「Title II of the Internal Security Act of 1950」が制定されました。犯罪者ではなく“怪しい”というだけで逮捕されるのは、大戦中に日系人に起きたことと同じです。この法律はアメリカ国憲法に違反しているので、JACLは、この法律を廃止する活動をアメリカ国内で展開しました。さまざまな人種の方たちと話し合いし、学校や教会にも行きました。そのとき、日系史についての本を学校に寄付しました」

―日系人の方たちの辛い体験が、繰り返される差別や人権侵害の問題でいかされています。モリグチさんは、自身の家族史の本を書いたそうですね。

「若者にも歴史を知ってもらいたかったので、親戚にインタビューしたりしながら、1年かけて書きました。父の家族、母の家族、私と両親の家族、私と妻の家族の4部構成です。100部作り、日本の親戚にも送りました」

―JANMへの訪問者には何を伝えたいですか。

「日系史はアメリカ史だと知らせたいです。また、海外からの訪問者には、人種を問わず似たような経験があると思うので、共感が湧くのではないでしょうか。若者には、祖先が困難を乗り越えたからこそ、今の自分たちの生活があるのだと知ってもらいたいです」

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もっと知ってJapanese American!

日本村のあった島・ターミナル・アイランド④
前号で、ターミナル・アイランダーズ会長の藤内稔さんに、真珠湾攻撃直後のターミナル・アイランドの様子を聞いた。今回は、ターミナル・アイランドからの立ち退き命令が出された後の様子を聞いた。

「48時間以内の立ち退き命令と聞いても、みんな、すぐには行動できませんでした。考えている間に一日が経ってしまい、残り時間が少なくなってしまいました。大急ぎで家や家財道具を処分しなくてはなりませんでした。業者に引き取りにきてもらい、買い上げてもらいました。父も含めて一世の大人はみんな逮捕されてしまっていたので、残された家族はお金のことも心配でした。それで少しでも高く買い取ってもらいたかったのですが、業者は足もとをみて安く買おうとしました。収入がないので、しかたなく安くても売るしかなかったです」

 ー何年にもわたり築いた家や財産を手放すには本当に忍びなかったことでしょうね。
「ターミナル・アイランドを出るしかないので、みんな、自分の友人や知人の伝を頼りました。なかには行く所もない人もいました。ある人は近くの鶏小屋に寝た人もいました。本当に惨めで、悲惨な状況でした」

ー1945年8月、日本は2発の原子爆弾を投下され、無条件降伏の終戦を迎えます。3年半におよび長い収容所での生活の後、ターミナル・アイランドに戻られました。そのときの状況はどうでしたか。
「すべてなくなっていました。住んでいた家も、商売をしていた店舗も、工場も、神社も、集会所もすべてです。全て壊されて撤去されて平地になっていました。
 そのうえ、漁の中心だった一世の人はライセンスをすべて取り上げられていたので、漁もできなくなっていました。しかたなく、庭師や野菜運びの仕事で生計を立てるしかなかった。子供の目から見ても、本当にターミナル・アイランドの一世の人は大変な苦労をされたと思います」

ーターミナル・アイランドにモニュメントを作る話しが出ました。みなさん、どんな気持でしたか。
「ターミナル・アイランドにいた人は、みんな、ちりちりばらばらになりました。知人や縁故を頼ってね。でも、みんなターミナル・アイランドのことが忘れられなかったのです。
 1980年に集れる人が集って「ターミナル・アイランダーズ」を結成しました。そんななか、一番苦労した一世たちは歳をとり、亡くなる人もでてきました。一世の人の苦労や二世の人の思い出を何か残せないかと協議して、モニュメントを作ることになりました。
 いろいろな機関を使って募金を呼びかけた結果、多くの人からの募金が集りました。戦前、村ではどこも鍵をかけて寝なかった。地域は信頼関係で結ばれまるで家族のようでした。だから、心から協力をしてくれました。2002年にモニュメントができたときは、ほんとうに大勢の人が集って一緒に祝うことができました。」

ー今、振り返って思うことがあれば、聞かせてください。
「収容所は良かったという人もいます。日系人が一緒で、ベースボールやフットボールもできたし、面白かったと。でも、これは何が起こったのか、考えないようにしているんです。これは良くないことです。なぜ、このようなことがあったのかを考えなくてはいけない。考えることが大事です。考えることができれば同じことを二度と繰り返さない。考えて声に出していくことが大事です。二度と同じことが起きないように経験した人が話していくことが大事です。」

ターミナル・アイランドの歴史を残す貴重な証言、資料が収録されたDVD。詳細は、www.terminalisland.org


藤内稔
ターミナル・アイランドで生まれ。12歳のときに真珠湾攻撃で戦争が始まった。島では和歌山弁が主流で、また猟師が多いので猟師言葉が使われていた。そこで、コンプトンの日本語学校で標準語を学んだ。ターミナル・アイランダーズ会長、日米会館理事を歴任。



写真・文 HIROTAKA AKAIWA 写真・文・構成 TOMOMI KANEMARU


JANMに行くと日刊サン読者にプレゼント!

入館料お支払いの際に「日刊サン掲載の『JANMへ行こう!!』を読んだ」と言うと、『ワシントンへの道 ~米国日系社会の先駆者 ダニエル・イノウエ議員の軌跡 ~』と『知られざる政治家 ラルフ・カーとニッポン人』の2つの日系移民史ドキュメンタリーが入ったDVDを特別プレゼント。昨年末に亡くなった大統領継承順位第3位のイノウエ議員のインタビュー入り。非売品なので貴重なDVD!
*入館料をお支払いの上、入館された方のみ対象。




JANM・ジャニム(全米日系人博物館)
Japanese American National Museum
日系アメリカ人の歴史と体験を伝えるアメリカ初の博物館。アメリカの人種と文化の多様性に対する理解と感謝の気持ちを高めることが目的。ボランティア・ガイドに支えられ、訪問者は展示にはない興味深い話を聞くことができる。

100 N. Central Ave. Los Angeles, CA
・213-625-0414
http://www.janm.org
開館:火・水/金・土・日 11:00 ~17:00
木 12:00 ~20:00
休み:月曜
料金(企画展も含む):一般9ドル、シニア&学生&子供5ドル、メンバー無料
*木曜17:00 ~20:00、毎月第3木曜は無料
交通:メトロ電車:ゴールドライン「Little Tokyo / Art District」下車。徒歩1分
駐車場:あり。博物館前、他多数(有料)

★「ボランティア・ガイド」に関心のある方は、下記まで。
213-830-5645

2014/03/01 掲載

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