Vol.44 こんなとき、どうする？「日本にいる親が施設入居を希望。選ぶときに大切なことは？」
高齢になれば誰もが介護は必要になります。平均寿命が延びた今、介護期間も長くなってきています。介護のある生活をするには自宅（在宅）か施設しかありません。在宅での介護に限界を感じたり、夜間や緊急時対応に安心を求める人は「施設入居」という選択になります。今回は「施設入居」をする場合「ここだけは押さえておきたい」大切なポイントをご紹介いたします。介護が必要になっても住み続けることができるのか？
「終の棲家」としての施設選びを
「施設入居」という選択をして色んな高齢者向け施設から希望の施設を選ぶときには、必ず事前に施設見学をしましょう。その際に大切なのは「介護が必要になっても住み続けることができるのか」ということです。施設によっては介護が必要になったり、介護度が重くなると他の施設への転居が必要になるところもあります。高齢になってからの住環境の変化はかなり心身ともに負担が大きくなりますので、住み替えはなるべく避けたいものです。そして、施設は親御さんの「これからの生活の場」となります。事前に施設見学をするときには、その施設のご入居者の表情やスタッフの雰囲気、言葉遣いなどをチェックすることで施設のサービスの質やご入居者の満足度が分かります。また、施設を運営している企業の財務基盤を確認して「永く運営することができるのか」という観点で経営状態をみておきましょう。
日本の高齢者向け施設に入居するには約１ヶ月必要。
早めの決断と各書類の準備を。
老人ホーム（高齢者向け施設）に入居という選択をした場合、入居するまでには書類の準備や審査などがあり、少なくとも約１ヶ月間はかかります。例えば、民間が運営している有料老人ホームの場合、入居するまでの流れは次となります。
【有料老人ホーム入居までの流れ】
1.見学予約
2.施設見学
3.体験入居
4.仮申し込み
⬇︎
5.必要書類の準備
6.施設職員との面談
7.入居審査
8.契約・入居
各施設によって詳細は変わりますが、大まかな流れは上記となります。ここで思ったよりも時間がかかるのが書類の準備です。契約書や保証人など多くの必要書類が必要になります。そして、意外と取得するのに時間がかかるのが「健康診断書」。病院で健康診断を受ければ発行できますが、通常取得するのに２～３週間かかります。また、日本の施設に入居するには日本語の健康診断書が必要になります。施設によっては「健康診断書」は必要ないところもありますが入居する施設を決めたら、早めに必要書類を確認しておきましょう。
親御さんの「生活の場」として施設入居という選択をした場合、入居するまでには意外と時間がかかるものです。家族には家族にしかできない役割があり、その対応もかなりの労力がかかります。ご家族だけで抱え込まず、専門家のチカラを借りて慌てずに対応していくことをお勧めします。
ひとくちメモ ～私の母８３歳～ No.43
「孫パワーで幸せ気分が続く母」の巻
先月、兄が交通事故で他界して３年経った。「お仏壇に手を合わせたい」との理由で兄の家に行った母。３人の孫に会えることが楽しみで１ヶ月前からワクワクしていた母は、大量の唐揚げとマカロニサラダを作って孫達に持って行った。帰宅してから母は「Ｄくんは背が高くなっていたよ。」「Ｓちゃんは21歳でキレイなお嬢さんになっていた。」などなど、毎日のようにLINEが届く。その後も母の家に行くと毎回、毎回、孫の話が続く。2人姉妹の孫の写真もいまだに送られてくる。母にとって、今の生きる楽しみや生きがいは「孫」。ただね、お母さん。その状況を作ってくれているのはお嫁さんなのよ。兄亡き後も孫の様子を母に伝えてくれて、母が家に来ることを快く受け入れてくれる。こんな素敵なお嫁さん、なかなかいないよ。先ずは、お嫁さんに感謝しなくちゃね。陽子さん、いつも本当にありがとうございます！母に代わり私が言っておきます。（続く）
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