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コラム

来夏の映画観ようよ♪
vol.58. LIFE!

2020-05-14


 「ウォーレン・バフェットが保有していたアメリカの航空会社の株を全て売った」というニュースに衝撃を受けた。株を買った経験のない自分でさえ知っている、投資の神様…その彼が、もう以前のように乗客が戻ることはないと見通しを立てたのだ。いや、ウイルスに打ち勝った暁には、世界中の旅人がフライトを楽しみに待っているはず!
 
 創刊以来、他とは一線を画す魅力的な写真や記事を発信し続けてきた雑誌“LIFE”。その編集部でネガフィルムを管理するウォルターは真面目だが内気な性格で、気になる同僚のシェリルに声をかけられずにいた。ある日、デジタル化の波に飲まれLIFEの廃刊が決まり、最終号の発行が迫る。ベテランカメラマンのショーンは、最後の表紙を飾るに相応しい写真をかねてから信頼を寄せていたウォルターに送るが、ウォルターはフィルムの一部が欠けていると気付く。失くしたはずはない。大切なフィルムは一体何処にあるのか…撮影のため世界中を飛び回り所在の掴めないショーンを見つけ尋ねるべく、ウォルターの冒険が始まる。
 
 世の中には、同じ毎日の繰り返しが苦になる人とそうでない人がいる。ウォルターも前者だったが、しばしば白昼夢を見ている事から実は心の中では壮大なイマジネーションを抱いているのだとわかる。本当はこうしたいのに、と願望があるもののあと一歩が踏み出せない。彼は旅を通して新しい自分を見出していくが、何も旅だけが自分を変えるわけではない。新しく知り合った人、ヨガ、読書−きっかけはそこら中に転がっているはず。本作は、誰かが、何かがきっかけになってただの妄想も現実に成り得るのだ、という可能性を示してくれる、明るく希望に満ちた内容だ。
 
 旅仲間の間で「ガンジス川にパスポートを投げる」という言い回しがある。自分の常識を投げ打って殻を破れ、という比喩だと理解しているが、かつて実行した強者がいるとかいないとか。映画を観ながら、ちょっと明日からインドに行ってくる!という日常が早く戻ることを切に願った。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで




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