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コラム

キム・ホンソンの三味一体
vol.131 生きようとする者は死に、死を恐れない者は生きる

2020-03-26

 新型コロナ流行に対応するため米大統領が国家非常事態宣言をしてもう2週間になろうとしています。今や学校はもちろん医療、食料、銀行などと生活に必要不可欠なビジネス以外はすべて休業となっています。私も3人の子供達と家で過ごしています。5人家族なわけですから色々と生活必需品の消費も早いのですが、中でもトイレットペーパーの減りがとても早いです。子供達に一度に使う量を減らすように教えてもみたのですが、問題の解決には至りません。何度もお店に足を運んでみたのですが、その度空っぽの商品棚だけが待ち受けていただけでした。おそらくこれを読まれている読者の皆さんも同じ経験をされていることと思います。

 なぜ人々は物を買い占めるのでしょうか。それは多分生き延びたいと思う欲求がそうさせているのだと思います。ではなぜサバイバルモードのスイッチが入るのでしょうか。それは恐れているからだと思います。普段は必要な分だけを買っていた人々が、念のためにと余分な分まで買い溜めるがために全体的な供給が行き届かなくなってしまいます。となると、今必要な人々と念のために買い足しておきたい人々が、連日開店前のお店に列を作って、新型コロナの基本的予防策とも言えるソーシャル・ディスタンス、すなわち人と人との物理的な距離を保って、濃厚接触を避けようとする試みに逆行することをしてしまうのです。すなわち、生き延びようとする人間の欲求が、逆に自らの命を危険にさらしてしまうというアイロニーに陥ってしまうのです。

 自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを救うのである。」(ルカによる福音書9章24節)というイエスのことばがあります。要するに、自己中心になって自分だけ生き残ろうとするものは、その欲求によって逆に命を失うことになるとイエスは語っています。しかし、私達を救うために自らの命を犠牲にしたイエスの生き方に共鳴しそれに倣おうとするならば、自らの命はもちろん人々の命も救うことができるという意味です。新型コロナより危険なのは、ウィルスそのものよりも、恐怖に飲み込まれ、もはや隣人を配慮しケアすることを止めて、自己中心になっていくことではないでしょうか。

 他のビジネス同様、私達の教会もソーシャル・ディスタンスを実践するために礼拝を休止しメールによるE礼拝という方法で礼拝を行っています。もしE礼拝と説教にご興味のある方はメールでお申し込みください。 Khs1126@gmail.com


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。

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