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コラム

ピアノの道
vol.29 病める時も健やかなる時も

2020-03-18

 「In sickness and in health(病める時も健やかなる時も)」という結婚式の誓いの言葉がありますね。結婚式、お葬式、卒業式…人生の節目を司る儀式には、どういう文化や宗教でもいつも音楽があるそうです。脳神経学者で認知心理学者のDaniel Levitinによると、こういう儀式での音楽は「人生状況が変わっても、コミュニティーの結束や人生の歩みなど、大きなことは変わらないよ」と儀式の参加者に安心感を与える、ということです。
 
 コロナウィルスの脅威に全世界が不穏を感じる中、このウィルスを何とかポジティブにとらえる意見を発表する記事もいくつか見られます。その一つに「このウィルスは全人類が結束してウィルス撲滅のために協力するきっかけ」というのがあって、なるほどと思いました。他にも「皆が旅行を控えているのでCO2排出量が激減!環境には最高」とか、「家族と過ごす時間や、日常の小さな喜びなど、人生の優先順位を見直す良い機会」というのもありました。異常事態というのは、ルーティーンや固定観念を覆すことで新しい視点を提供する利点もありますよね。
 
 コントロール内にある事に集中することで、どうしようもないことを忘れることの重要性を私が最初に思い知ったのは、20代にツアーを始めた時です。ツアー中は毎日移動、毎晩違う会場で演奏です。練習ができない日もある。温かい食事をとれない日が続いたりする。本番ぎりぎりに会場についてサウンドチェックも無しで挑む演奏もある。泣き言や文句をいっても何も変わらない。出来ることに集中してベストを尽くすのが最善。
 
 今私たちができることは、自分の健康維持と、周りへの思いやり。長期戦になるかも知れないこの状況に向けて体力と気力を向上し、この非常時をどのように人生に於いての自己向上の好機ととらえるか、毎日工夫をすることだと思います。不安に襲われたら鼻歌を歌ってみてください。家族で声を合わせてアニメソングを歌ったり、YouTubeに合わせてラジオ体操なども最高の気分転換だと思います。


この記事の英訳はこちらでご覧いただけます。
https://musicalmakiko.com/en/?p=1549


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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