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コラム

来夏の映画観ようよ♪
vol.53 ミッドサマー

2020-03-05


 「人捨穴?」。以前八丈島をドライブした際、道路沿いに信じがたい看板が設置されていた。何かの冗談だろう、と流したがその後訪れたビジターセンターにて、『昔、島では自然災害や飢饉に見舞われることも多く、食糧確保のため50歳になると人捨穴に捨てられる風習があった』という旨の説明があった。
 
 アメリカに住む大学生ダニーは真冬のある日、普段から気にかけていた躁鬱病(双極性障害)の妹と両親をいっぺんに失い、心に深い傷を負う。精神的に不安定な状態が続き、恋人のクリスチャンに支えられるものの、自分の存在が彼の負担になっているのではと不安を募らせる。夏になり、民俗学を専攻するクリスチャンとその友人のジョシュ、マーク、ペレと共に、ペレの故郷であるスウェーデン・ホルガ村で開催される90年に1度の貴重な夏至の祭りに参加することに。日が沈まない白夜、色とりどりに咲き誇る花や優しい村人たちにすっかり魅了されるが、次第に得体の知れない違和感を覚えはじめる。
 
 例えば友人の家でミートパイを振舞われたら、大半の人が中身の肉が何なのか気になるだろう。それがホラー映画の中の出来事であれば答えは明白なのだが…という風に本作はホラー慣れしていると気持ち良いくらい展開が読めるため、意外性は無いかも知れない。しかし、展開がわかっていてもなお、思わず目を背けたくなるほど心に突き刺さる“死”のリアルな描写はもちろん、神秘的なルーン文字や壁に描かれたおとぎ話のような絵はどんな意味を持つのだろうとワクワクし、久しぶりにグッと胸に響いた。そう、こういった異文化への過ぎた好奇心こそが命取りになるのだと自らを戒めつつ。
 
 さて、冒頭の“人捨穴”は数十年前にテレビで取り上げられたが、島のイメージが悪くなるという理由から今では観光地図に載せていないそう。その上、実は公的な資料は現存しておらず、50歳を過ぎた人を捨てていたというのは、あくまで民話の範疇を出ないのだとか。これはまさしく…。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで




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