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コラム

ピアノの道
Vol.25 楽器演奏は脳のエアロビクス!

2020-01-23

 双子を使った研究があります。どちらかが楽器を練習している65歳以上の双子の統計を取ったところ、楽器の練習をすると認知症を発祥する確率が64%減る、という結果が出たのです。楽器演奏は刺激に対する反応にかかる時間を縮め、長期では脳の構造そのものに好影響を与えます。楽器演奏は子供の脳の発達に好影響があるとか、言語取得能力を高めるとか、皆さんもお聞きになったことがあると思いますが、なぜなのでしょうか?

 楽器演奏は、目と手、左手と右手、聴覚と視覚、言語と音感などの多様な協調関係の訓練になり、非常な集中力を要します。そして、練習の成果が美しい音楽というはっきりとした報酬です。結局楽しいんです。楽しい→もっと集中する→上手くなる→もっと楽しい。好循環です。

 更に、手を動かすというのは脳を動かす、ということです。「大脳全体と手の細胞は非常にリンクしています...身体のそれぞれの部分を支配している『神経細胞の量』の割合を体の面積で示した図〔で〕、手や舌に関係した神経細胞が非常に多いということが分かります」(『海馬:脳は疲れない、池谷裕司・糸井重里対談集(2002) 』 、P. 19)



ホムンクルス=神経細胞の量の割合を体の面積で示した図。

 「指を沢山使えば使うほど、指先の豊富な神経細胞と脳とが連動して、脳の神経細胞もたくさんはたらかせる結果になる。...手や口を動かすと脳も動くんですね。脳に発火させる導火線みたい。」(『海馬』P. 19-20 )楽器演奏は脳のさまざまな機能を総動員しているんです。脳のエアロビックスです。


この「ピアノの道」は私のブログ「音楽の効用:認知症予防と症状軽減のワークショップ」の抜粋です。
全文はこちらでお読みいただけます。
https://musicalmakiko.com/effects-of-music/6398
英文のブログはこちらです。
http://musicalmakiko.com/en/on-call-musical-doctor-music-heals/1386


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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