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コラム

来夏の映画観ようよ♪
vol38 John Wick: Chapter 3 - Parabellum

2019-07-03



 普段ぼやーっとして滅多に頭に血が上らない自分が、唯一我を忘れて見ず知らずの人に怒鳴り散らしたことがある。住んでいたアパートの向かいで、年配の男性が飼っている犬を躾けようとしたのか罵声を浴びせ、革ベルトのバックルで叩こうとしているのを目撃した際のことだ。反射的にガラッとベランダの窓を開けて「動物虐待ですよ、通報しますよ!!」。
 
 凄腕の殺し屋だったジョン・ウィック。結婚を機に稼業を辞め平穏に暮らしていたが愛する妻を病気で亡くしてしまい、生きる気力を失っていた。そこへ、妻から最期のプレゼントである子犬が届き希望を取り戻しつつあったのだがそれも束の間、強盗に襲われて大切な子犬を殺され、復讐のため殺し屋に復帰する。そして前作では、裏社会で生きる人間御用達のコンチネンタルホテルにて『ホテル内で殺しをしてはいけない』という掟を破ってしまい、その裏社会を束ねる謎の組織“主席連合”から15億円という莫大な懸賞金をかけられ、世界中の殺し屋から狙われることに−。
 
 このシリーズはカンフー&ガンのシーンももちろん派手で格好がいいのだが、今作は「こんな方法で戦うの!?」という常識破りのアクションが盛りだくさん!随所に遊び心が感じられ、思わず笑みがこぼれてしまった。また、今回の影の主役は“犬”ではないかと思う。ジョンのお利口な黒いピットブルや、かつての殺し屋仲間ソフィアの闘うシェパードたち。特にソフィアの愛犬たちは、まるでK9(警察犬)!厳しい訓練を受けた特殊部隊のように勇ましく、俊敏な動きで敵の動きを止めていくのだ。こんなに犬が本格的な激しいアクションをする映画もなかなか珍しい。
 
 復讐は憎しみの連鎖を生み出してしまう−が、犬好きならば本作を観て多少なりとも復讐に燃える登場人物に同情してしまうのではないだろうか?次回作ではジョン・ウィックと主席連合とのさらなる全面戦争に突入する事が予想され、再び爽快でウィットに富んだアクションがめいっぱい楽しめそう!


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで




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