NikkanSAN_TopBanner_2023-05-07

ロサンゼルスの求人、クラシファイド、地元情報など

日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

コラム

旅は呼んでいる。
vol.29 インド

2019-05-09

 「インドに行ったら価値観変わりますよ!」。数年前、ヘアサロンである美容師に熱弁された。その類の体験談はよく耳にするが、実際のところどうなのだろうか?

 
 実は知り合いにインド哲学者がいて、夫が死ぬと妻も一緒に焼身自殺をする風習があること、空港を降りた途端に物乞に囲まれたなど幼い頃に衝撃的な話を聞いていたので身構えていたが、旅行中に物騒な雰囲気を感じる事はなかった。移動中鳴り止まないクラクションには辟易としたものの、子ども達と触れ合う機会があり「写真撮ってー!!」と屈託なく笑う姿にはとても心が洗われた。

 
 観光では、1500年の時を経ても錆びない不思議な鉄柱アショカ・ピラーや、イスラム様式の影響が色濃く独特な装飾のアンベール城、望遠鏡がない時代の天体観測施設ジャンタル・マンタルなど北部の世界遺産を見て回り、その中で最も印象的だったのは世界一美しい霊廟と呼ばれる“タージ・マハル”。17世紀に在位していた皇帝が亡くなった王妃のために莫大な費用と年月をかけて造らせたもので、白亜の美しさは圧巻、愛の大きさが窺い知れる建築物だった。人気アニメ“セーラームーン”に登場する月の王国の宮殿ムーン・キャッスルのモデルとも言われており、比較すると確かに似ていたしロマンチックな背景も含めアニメのストーリーにぴったりだと感じた。

 
 また、楽しみにしていたのが本場のカレー。牛はヒンドゥー教の神様の乗り物であり神聖視されているのでビーフカレーは存在しないらしく、代わりにマトンやチキン、ヒヨコ豆や野菜が具材で出てきた。おすすめはよく煮込まれて柔らかくなったマトンのカレー、なのだが、日本式カレーとは違い油分と香辛料がかなり多く、暑さで弱っている胃腸には少々厳しかった。
 
 価値観が変わらなかったのは、ツアー参加で安全が保障されていてディープなインドの姿を見なかったからかもしれない。今度は遺体が流れる中で洗濯物を洗うというガンジス川や、UFOが頻繁に現れるという噂のヒマラヤ付近にも行ってみたい。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
Facebook   Twieet

加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで!




[ 人気の記事 ]

第230回 碧い目が見た雅子妃の嘘と真

第249回 尻軽女はどこの国に多いか

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 後編

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー① アメリカについてよく知ることが大切

第265回 天才と秀才、凡才の違い

第208回 日本と北部中国に多い下戸

第227回 グレンデールに抗議しよう

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 前編

第173回 あなたの顔の好みは?

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー③ アメリカについてよく知ることが大切



最新のクラシファイド 定期購読
JFC International Inc Cosmos Grace 新撰組3月 Parexel pspinc ロサンゼルスのWEB制作(デザイン/開発/SEO)はSOTO-MEDIA 撃退コロナ音頭 サボテンブラザーズ 





ページトップへ