編集部
初代 川柳 生誕300年記念 ⑦ 十六代宗匠 尾藤川柳が初来羅!!
2019-05-03
十五代目・脇屋川柳氏(左)と十六代目・尾藤川柳氏。
脇屋川柳氏の主著作には『松浦静山と川柳』(近代文芸社、1997年)がある。
5月18日、「十六代 尾藤川柳氏を囲むゆうべ」(パイオニア川柳吟社後援)がトーレンス市で開催される。
川柳嗣号者がアメリカで講演するのは、川柳史上、今回が初めてのこと。
講演会に先駆けて、十六代川柳氏に45年間も川柳を続けてこれた理由について聞いた。
ー十六代川柳氏が川柳を始めてもう直ぐ半世紀が経つ。継続の要因は。
よい人に出逢ったからです。
昭和59年(1984年)、尾藤三柳著の『川柳総合事典』の編纂を手伝い、特に写真や図版関係を担当しました。
その中で、川柳宗家に伝わる「初代柄井川柳肖像」という掛軸の肖像画の写真を撮らせていただくのに、十五世川柳であった脇屋川柳師と出逢いました。
父・三柳は、悪い部分を指摘することにより良い方向へ指導するスパルタ式の教育です。脇屋川柳師は、すべてを認めてくれ、良いところを褒めて育てるタイプの指導者です。
二人の個性の正反対の指導者により、私は川柳が嫌いになることなく、常にある程度の緊張感をもって川柳の受容ができたようです。
また、師以外の多くの先輩柳人に可愛がられました。15歳で川柳を始め、45年経つ今日でも「一番の若手」であるところが問題ですが、若いということで可愛がられたことが良かったようです。
さて、川柳という文芸の魅力といえば、僅か十七音で一大絵巻にも匹敵するようなニンゲンが描きうるという手軽さと深さでしょう。
その人の深さまで川柳はどこまでも追うことができます。おそらく、一生かかって川柳の深奥を訪ねることになるのでしょう。
十六代目 櫻木庵 尾藤川柳 氏 略歴
祖父、父ともに川柳家。15歳より川柳を始め、昭和56(1981年)に十五代目・脇屋川柳氏に師事。平成29(2017年)に十六代目川柳を襲名。川柳を学問としても伝える。川柳学会を創設。朱雀洞文庫を創設。川柳講座、著述、公募川柳の選者等、幅広く活躍中。著書多数。
十六代 尾藤川柳氏を囲むゆうべ
◆柳話:川柳の楽しみと文化・北斎170年/川柳とは(発祥と文芸理念、「川柳260年」)/初代川柳と川柳の三恩人について/葛飾北斎と川柳(北斎の目は川柳で研ぎ澄まされた)/アメリカの川柳(日本での照会映像)/川柳の楽しみ(生きた川柳のために)
◆お題:「つなぐ」(興味がある人は三句作って持参。持参しなくても参加可能)
◆日時:5月18日(土)5pm~7pm
◆参加費: $10
◆会場: Redac Gateway Hotel, Torrance
20801 S. Western Ave., Torrance, CA 90501
◆お申込&お問合せ先:
310-257-9440(石口)310-828-4734(宇都)
◆十六代川柳氏ウェブサイト:ドクター川柳
www.doctor-senryu.com
◆フェイスブック:@senryu.bitoh
(つづく)
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。