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コラム

ピアノの道
vol.5 音楽は世界の共通語

2019-03-06

 “Music is a Universal Language (音楽は世界の共通語)“ — この言葉があるから私はピアニストになったのだ、と言い切ってしまっても良いのかもしれません。

 私は13歳の時、中2になったばかりの6月に、父の転勤で家族と共に渡米して来ました。9月に始まる新学期の前に英語に慣れるべく入れられたサマースクールの英語とアートのクラス。初日に私が自信を持って言える文章は二つだけでした:“Where is the bathroom?”と”I am hungry.” 授業が始まって愕然としました...何も分からない!その日の授業のトピックさえ分からない!負けず嫌いを発揮して、毎朝4時起きで奮闘して、テスト勉強したつもりでも、テストの質問が分からない!

 だけどその夏、ジュリアードに合格できたのです。私のあこがれだったヴァイオリニスト、天才児の五嶋みどりさんも当時通っていたジュリアード・プレカレッジ。私でさえ名前を知っていた有名な音楽学校でした。私の自尊心を救ってくれた合格通知と共に私に希望をくれたのは、最初のレッスンでもらった曲。ブラームスなんて弾いたことも無かった私が、間奏曲作品116-2の譜読みを始めた時「あ!」と目が覚めたのです。(この曲知ってる!)冒頭のメロディーが、私には「サクラ」にしか聞こえなかった。(これなら弾ける!)夢中になりました。

 その先生も今は亡き人。あの選曲にはメッセージが込められていたのか、今はもう聞けません。でも私はお蔭で「音楽は世界の共通語」を一つの指針にして、音楽人生をここまで歩んでこれました。ボリビアでもマケドニアでも、ネオナチに「ハイル・ヒトラー」とやられてビビった旧東ドイツでも、「音楽は世界の共通語」と念じながら演奏してきました。見た目や喋る言葉や文化や信仰が違っても、みんな美しいものが好き。共感すれば嬉しくて、傷つけあえば悲しい。勇気を出して腹を割ってみれば、人間みな兄弟。共通点の方が絶対多い。音楽は私たちに、そう思い出させてくれます。

 ブラームスは「サクラ」を知っていたのか?異文化の音楽が共鳴し合うのはなぜか?そして何故人間社会にはいつも必ず何かしらの歌があるのか?今月24日(日)の14時から15時まで「メロディーは世界の共通語」と言う題目でレクチャーコンサートをします。場所はダウンタウンLAの中央公共図書館のTaper Auditorium。入場無料。音楽って本当に凄いんです!

この記事の英訳はこちらのURLでお読みいただけます:
https://musicalmakiko.com/en/?p=943


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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