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コラム

ピアノの道
vol.4 芸術教育の重要性

2019-02-20

 “Here is my secret. It’s very simple: One sees clearly only with the heart. Anything essential is invisible to the eyes. (秘密を教えよう。とても簡単な事だ。ものごとは心で見なくちゃだめだ。本当に大事な事は目には見えないんだ。)” サン=テグジュペリの「星の王子さま」(1943)の名言です。

 「本当に大事な事」って何なのか。

 利益、効率、前進...これらは「目に見えるもの」です。数量化しやすく、だから競争しやすい。Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学)、Math(数学)の頭文字を取ったSTEM:産業革命以降、打ち上げるロケットの数や軍事力、GDPや学力テストの国際ランキングなどの数字にお尻を叩かれるように、STEM教育が重視されて来ました。STEM教育の影で、芸術や音楽の授業時間や費用は削減されがちです。しかし合理性を最優先にした社会では倫理や、人間性、個性や尊厳が犠牲になりやすい事は歴史から学べるのではないでしょうか? AIの発展が私たちの将来を不透明にする中、STEMにArtsを加えた、STEAMが重要なのでは?と言う声が高まっています。

 芸術活動は集中力、記憶力、学習能力、探求心、コミュニケーション能力などを向上すると言う研究結果が出ています。また「対象物の特性をつかみ取る」「意味を昇華させる」「3次元で考える」「体を使って知覚する」など、これまで芸術家が使ってきた技術の多くがSTEM領域の学びに有用と言われています。

 エジソンはピアノを弾きました。アインスタインはヴァイオリン。レオナルド・ダヴィンチの発明の中には楽器があり、作曲をした形跡もあります。

 言葉や数字にできない、でも私を私にしてくれるもの―それが私の日々の音楽活動です。鳥肌が立つ感動。息を呑む瞬間。思い出が蘇る一瞬。…静かな曲の最後の音が消えゆくのを会場が一体になって聞き入る、誰も拍手を始めない数秒。そして音楽を通じて、時空を超えた作曲家に想いを寄せ、その感動をみんなとシェアしたいと願う、エンパシー。相手を分かりたい、相手とつながりたい、相手のニーズに応えたいと思うエンパシーの心こそが、発明や技術や生産やサービスの原動力になるべき。だから音楽が、そしてArtsが、特にこれからの社会で重要になってくると私は信じています。音楽って本当に凄いんです。

参照:ヤング吉原麻里子・木島里江共著「世界を変えるSTEAM人材
シリコンバレー『デザイン思考』の核心」朝日新書出版。初版2019年1月30日。

この記事の英訳はこちらのURLでお読みいただけます:
https://musicalmakiko.com/en/?p=876


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべっていた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳のボリボリビア演奏旅行を皮切りに国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽活動を目標に、2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェローとして活動。音楽のヒーリングについて、脳神経科学者との共同研究や、講義もする。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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