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コラム

来夏の映画観ようよ♪
vol.29 最強のふたり

2019-01-31


 昨年の“アリー/スター誕生”や“ハロウィン”、“グリンチ”のように、ここ最近特に有名作品のリメイクやリブートが続いているように思う。既に観たことがあるものも含め、なるべく事前にオリジナルを観てから両方楽しむようにしている。

 パラグライダーによる事故で、頚椎を損傷し四肢麻痺になってしまった富豪のフィリップ。介護が必要になるものの、気難しい一面のある彼と長く一緒にいることの出来る人間はなかなかおらず、秘書のマガリーと共に新たな介護人を雇うための面接を行っていた。
 候補者は介護資格や専門知識のある者ばかりだったが、ドリスという青年だけは一人、介護に携わったこともなくパーカーにジーンズというラフな格好で現れ、ただ失業手当が欲しいから不採用通知の書類にサインをしてくれと言い出す。しかし、そんなドリスの不躾ともいえる率直さを気に入ったフィリップは周囲の反対を押し切り、試用期間を一ヶ月として彼を雇うことにする―。

 舞台がパリのフランス映画なのだが、やはりフランス映画独特のブラックユーモアが効いていること、激しい喜怒哀楽の表現やストーリー展開ではなく、少しアンニュイな雰囲気も漂っていて味わい深い秀逸な作品!
 特に、身体障害者と介護人という枠はあるもののそこに全く縛られず、お互い一個人として自然に接するやり取りを見ているだけで微笑ましくなってしまう。フィリップが求めていたのは、腫れ物を扱うような態度や同情ではなく、あくまで対等でいたいということ―それが痛いほど伝わってきた。傍から見ればドリスの介護ぶりは安全性の面や雑さからして失格だろうが、フィリップには彼が必要だったのだ。介護に対するただの綺麗ごとや教訓めいた押し付けがましさがないのがまた良かった。

 本作は舞台をN.Y.に変え“The upside”として上映中。2019年は他にも“チャイルドプレイ”や“ライオンキング”、“スカーフェイス”など期待できるリメイク作品の公開予定があり今から楽しみだ。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで




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