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コラム

来夏の映画観ようよ♪
vol.20 The Nun

2018-09-20


1973年公開の映画“エクソシスト”はアメリカで社会現象を巻き起こし、「悪魔祓い」が広く認知されるきっかけとなった。45年を経た今でも映像やストーリーに古臭さを感じさせない名作だと思うし、その流れを汲んだ悪魔祓いのテーマは健在である。

 第二次世界大戦後の1952年。ルーマニアのある修道院で若いシスターが首を吊って死んでいるのを、物資を届けに来た青年フレンチーが発見する。自殺は神に対する罪であるとされるカトリックで何故このような事態が起きたのか…バチカンは調査のためにバーク神父と見習い中のシスター、アイリーンを現地へ派遣する。修道院を訪れた一行が異様な雰囲気と不可解な超常現象に戸惑う中、シスターの一人が、かつてこの場所で貴族が悪魔を召喚してしまい間一髪で封じ込めたが、大戦による爆撃でその封印が解かれてしまったのだと打ち明ける。

前作でキャンバスから凄まじい形相のシスターが飛び出て来た際、“リング”の貞子がテレビから這い出て来た以来の衝撃を受け打ち震えた。破壊力抜群のビジュアルの上、説明が一切ないのが余計に不気味であった彼女の出自が遂に明かされた本作。そもそも一連のシリーズの恐怖の源は、実話ベースの点ではないかと思う。今回、モデルとなった事件は見当たらないが、登場するヴァラクは中世の魔術書にも名のある悪魔である。前述のエクソシストで少女に取り憑く悪魔パズズもまた、メソポタミアに起源を持つ古の悪霊。いずれも古来人々から恐れられて来た存在であり、その歴史が恐怖を倍増させている。また、撮影は劇中の舞台ルーマニアで実在の修道院、農村、城を使用して行われており、ヴラド3世=ドラキュラの生誕地という曰く付きなのも良い。

悪魔憑きの現象は、多くが精神疾患や薬物による幻覚であるという。何でも科学的に解明されるようになった現代だが、それでも説明のつかない事例が少なからず存在するーオカルト好きとしては、少しの想像の余地を残しておいて欲しいものである。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで




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