来夏の映画観ようよ♪
vol.19 The Meg
2018-09-06
「地震、雷、火事、親父」―怖いもの順で並べられた慣用句だが、近所で悪戯をする子供を叱る親父は減り、地震以外は科学の進歩と共に恐怖の対象ではなくなってきたからか最近はあまり耳にしない。怖いもの、と聞いてぱっと思い浮かぶものは何だろう。海に入る機会が多い筆者にとっては、“サメ”もそのひとつだ。
レスキューダイバーであるジョナスは五年前、事故にあった原子力潜水艦から多くの生存者を救助するが、やむなく二名の犠牲者を出してしまう。原因は巨大生物によるものだと主張するジョナスを、同行していた医師が、潜水の圧力によって精神に異常をきたしていると診断したことから現役を退き、タイで酒浸りの日々を送っていた。
しかし、再び彼に救助の依頼が来る―マリアナ海溝の奥深くで調査のために三名を乗せた潜水艇が、非常に大きな生物に襲われ交信が途絶えてしまったという。その三名の中にジョナスの元妻がいたこともあり、彼は即座に引き受け深海へと向かう。
なるほど、メガロドンだから“Meg”か!登場する巨大サメが雌で、その愛称かと思っていたら全く違った。200万年前に実在し既に絶滅したはずの古生物…現生のサメ、特に“ジョーズ”のモデルとなったホホジロザメは怖いが、メガロドンとなるとロマンが詰まっていて話は別だ。その大きさはもちろん、歯やエラ、皮膚など細かい描写に見とれてしまった。が、見所はそれだけではない。主演のジェイソン・ステイサムから溢れる男気と、鍛え抜かれた肉体美!また、ヒロインを演じたリー・ビンビンの美しさも、ため息が出るほどだった。
サメが怖いと言いつつ、透明なケージに入りメガロドンのいる海へ潜るシーンを観て、南アフリカ共和国やメキシコでホホジロザメを観察できる『シャークケージダイビング』をしてみたくなった。こうして怖いものに惹かれてしまうのは、恐怖を克服するためにあえて立ち向かうという心理なのだそう。聞こえはいいが、ようは肝試しだ―さて、いつ行こう?
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。