来夏の映画観ようよ♪
vol.11 レディ・プレイヤー1
2018-05-03
“VR体験”、興味ありますか?コンピュータ上の仮想世界をまるで現実のように感じられるもので、SONYやSAMSUNGから家庭用VRゴーグルも販売されている。かねてから興味があり「ボブスレーに乗る」体験をしてみたが、思っていた以上に没入し、ゴーグルを外してから現実に戻るまで数分かかってしまった。
27年後―2045年の世界は、温暖化や化石燃料の枯渇により退廃し、経済格差が広がっていた。夢のない日常から逃れようと“オアシス”という名のVR=仮想現実の中で理想の自分に変身して生きる人間が大半で、ウェイド・ワッツ少年もその一人だった。彼は、オアシスに隠された三つの謎を解けばその運営権と莫大な遺産を得られるという、亡くなった創設者ジェームズ・ハリデーの遺したゲームに仲間と共に挑戦する。
一般的な普及率は未だ低いが、今後VR技術はゲーム内だけではなく、スポーツや教育、医療の現場に広く適用されるだろうことは想像にかたくない。いわばそういった未来のヴィジョンのひとつとして観ることもできるが…見所は何といっても、処々に散りばめられた過去の映画やアニメ、ゲーム、音楽作品のエッセンスだ。原作者は熱狂的な80年代カルチャー好きで、“バック・トゥ・ザフューチャー”のデロリアンや“AKIRA”のバイク、“ストリート・ファイター”の春麗、マイケル・ジャクソンの衣装等々が登場し、あまりの多さに全てを把握するのは至難の業である。それらをどれだけ理解できるか試すのも面白く、個人的にはスタンリー・キューブリック監督の“シャイニング”へのオマージュに最もテンションが上がった。
本作をより楽しみたい人は、映像に合わせてシートが稼動し、風や水、煙が出てくる4DX映画館での鑑賞がおすすめ。以前3D作品でひどく酔ったため躊躇していたが、技術が進んだのか違和感もなく、終始アトラクションに乗っているような気分に。自身もいちプレイヤーとなり、オアシスでの謎解きにぜひ参戦を!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。