編集部
パラリンピック正式競技・車いすテニス 20年の東京・28年のLAを目指す 日本・アメリカ・カナダの若い選手たち <5>
2018-01-26
国別対抗・国際親善試合「JTB 車いすテニス・グローバル・チャレンジ」(B Adapitve Foundation主催)に参加した日本、アメリカ、カナダの選手と関係者に、各国の車いすテニスの課題や抱負をインタビューした。毎日連載パート5。
坂口 剛さん
一般社団法人 日本車いすスポーツ協会 代表理事
車いすテニスクラブ「ウラテク」校長
坂口 私は、彼らにパラリンピックに行って欲しいとは微塵も思っていませんが、彼らは社会に出た時に生きていく術を身につける必要があります。
障害を持っていると、どうしても健常の人よりも何歩が遅れる面があります。
一般的に、もし会社内に同じ能力の健常者と障害者がいて、全く同じに判断されたならば、おそらく健常者の方が先に選ばれるのではないでしょうか。
だから障害者は健常な人たちに負けない努力をして、同じ土俵に立つように努力をする。健常者より上に行くくらいの気合がないとやっていけないだろうと、私は思います。
できるだけ早い時期にいろいろな経験をすることが大事だと思います。
最初、子どもはマイナスではないですよ。子どもだから自分が特別だとは思っていません。一緒だって思っている。けれど親や周りが「君は障害があるから、特別だから、スポーツなんかできないでしょう」「学校には行けないでしょう」と言って育ててしまう。
それで子どもたちは、「僕らは特別なんだ」「みんなと同じことをしちゃダメなんだ」って振り込まれる。
そして、彼らがいざ社会に出ようとした時に、「僕は特別だから、みんなと同じにしちゃダメなんだ」って思っている。このような状況が、障害のある人の雇用で問題になっています。
ネガティブワードで育てられた子供は、自分から考えて行動することをしないですね。人から言われないとしない。せっかく就職して健常者と同じ土俵に立たせてもらったのに、わざわざ自分で下がってしまう。
「僕、エクセルできます」「僕、英語を話します」とか、何でもいいのですが、もっと自分をアピールしようよって思います。
自分をアピールできる何かを得るために必要なのは、小さい頃からのいろいろな経験です。その中で、成功したり失敗したり、いろいろ経験して学んでいくことですね。
生きる力をつけることに障害は一切関係ない。
(1月27日付けにつづく)
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。