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コラム

キム・ホンソンの三味一体
vol87 「私達」という言葉の力

2017-11-16

 先日、ある読者の方からお手紙をいただきました。メールではなく手書きのお手紙をいただいたのは本当に久しぶりで、一字一句大切に読ませていただきました。日本から来られて40年になられるその方は、周りに韓国系をはじめ色々なアジア系の方々と交友関係を持っておられるそうです。そういうメルティングポットの真只中に生きていると自分が日本人であることにそんなにこだわりを持たなくても良い気がするのだと書かれていました。また、ご近所のレストランやスーパーでよくすれ違う韓国系の住民の人々と自然と挨拶を交わすようになったりすることで心が幸福感で満たされたりすることも経験されるのだそうです。
 
 そんな彼女が私にこのようなご質問をくださいました。「日本と韓国間にある対立や葛藤に対して、韓国の方々は日本に対してどのような解決案を求めているのか。一個人の日本人として、そのために何か出来ることはあるのか。」
 
 私はこの質問を読んで、ふと韓国人と日本人の互いの心の深いところでは、互いが相手に受け入れられたいと願っているのかもしれないと思いました。考えてみますと、日本人も韓国人も戦争というものによって傷つき打ち拉がれた被害者同士ではなかったでしょうか。国と国が戦争をする際、まずはマスコミを通して、相手国とその国民を非人間化(demonize)することから始めると言います。相手国の兵士も良き夫であり、良き父であり、愛される息子であるということを想像できなくさせてしまうためでしょう。
 
 私はこれを逆手にとって、どのように政治的に対立している国民同士てあれ、お互いのことを「私達」という言葉で一括りにして呼ぶべきだと考えています。日本人、韓国人、中国人、その他どのような国家の国民であっても、同じ人類としての「私達」という言葉を使い始めることで、もう戦争は起こせなくなるのではないでしょうか。
 
 明後日の18日午後2時、日韓ペアレンツの会がスタートします。会には私達(日本人と韓国人の親同士)が子供と一緒に集まって子育てのことをはじめ、私達の(日本と韓国)コミュニティーの友好と交流のことについて話し合うことになっています。私達のこの集いにご興味のある方はどなたでも歓迎いたします!

会場:FS ルーテル コミュニティ 2706 W 182nd St. Torrance CA 90504
foslcommunity@gmail.com (310) 339-9635


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。

このコラムへの感想や質問はこちらへ → foslcommunity@gmail.com




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