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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第436回 中・韓人から見た日本の明と暗

2017-07-27

日本人の市民意識の高さはつとに知られている。
韓国天安市で開かれたU2・W杯でイタリアと2対2で引き分けた試合後のこと。
天安市W杯支援会のキム主務長は日本選手が使っていたロッカールームを訪ねアっと驚いた。
男子選手がしばらく滞在するとバナナの皮やペットボトル等のゴミが散乱しているものだが、使用前のようにピカピカだった。燃えるゴミと燃えないゴミも見事に仕分けられていた。
キムさんと部下は日本人のマナーと気配りに「こんな若者観たことない」と絶賛しているという。
新宿西口高架橋下の「思い出横丁」。中国人観光客の王さんはここにもう一つの日本を観た。
サラリーマンの退社を待って店を開く小さな居酒屋が二、三十軒。
人々は昼間の礼儀正しさを脱ぎ捨て大声で話し呑み笑っている。
まるで昭和にタイムスリップしたような人情味に溢れている。人々はやさしく、街は清潔、交通は整然と動いている。
日本旅行に来るならみんなここが気に入ると思う、と王さんは言う。
だが肯定している訳ではない。社会があまりに規則正しく、すべての秩序が抑圧された没個性の上に成り立っている気がして仕方がないという。
反動からか人々は自分の魂を解き放ちたい気持ちを抑えかねている。その欲求不満のはけ口、それが街の居酒屋ではないのか。
そう感じている。
やがて日が昇ると人々は寝不足の顔をキッとさせ、再び礼儀正しい会社人間に戻っていく。
批評家は既に指摘しているが、高層ビルのきらめきと横町の暗がりの明暗は日本社会を暗示しているようだ。
早大教授・岡田久典氏の掲示によると、「自分は創造的」と感じる日本の若者はわずか八%で、米国四七%、英国三七%、ドイツ四四%、豪州四六%等に遠く及ばない。
「創造的」であることが自慢や成功に繋がらず返って不利になるという国柄を表しているのでは、と岡田教授は言う。
「創造」の否定が窒息しそうな規則の毎日から夜を逃れ、人々を「思い出横丁」に通わせているとしたら何という能力の浪費だろうか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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