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コラム

今月の庭仕事
Lesson 190 植物の栄養分の取り入れ方

2017-07-19

 人間はほとんどの場合、栄養分を口から食べたり飲んだりして取り入れます。植物界の場合は種類によって栄養分の取り入れ方が異なります。
 地面に生えているものは地中に根を伸ばして水と栄養分のある所に向かいます。私たちが育てる植物の大部分がこれですが、現代では色々な野菜類を水耕栽培にして必要な栄養分は水に溶かして生育することなども可能です。
 水面に浮かぶ水草類は、根が水の中にぶら下がるようにして、地の中から溶け出た成分を肥料として、または水の中で朽ちた動植物の栄養分が水に溶け出た物を肥料分として取り込んで生育します。しかし水中が住処のハスなどはしっかりした根を池底の土に張ったり、園芸の場合は水中に埋められた鉢の中の土にしっかりした根を張っていたりします。
 どのようにして栄養分を取っているのだろうと頭を傾げたくなるような植物も存在します。カリフォルニアのロンポック辺りやアメリカ南部で見られるブロメリアの一種であるスパニッシュモスなどがいい例です。これらはただ木の枝に引っかかって生きているように見えます。
 これらは湿っぽい空気の中から栄養分を摂取して生きるか、自分の葉で作ったカップの中に溜まった雨季の水に落ちた昆虫類や落葉が自然に分解されて栄養分となったものを吸収して生きています。
 これらはいずれも受動的な栄養分の取り方ですが、植物の中には能動的に罠を仕掛けて捕虫して、それを溶かして栄養分にしてしまう肉食的なものもあります。いい例がウツボカズラです。ぶら下がってるツボの中に虫が入ると取り込み、液で虫を溶かします。推理小説にでもなりそうな怖い話です。
 多くの栄養分の取り方がありますが、植物の場合はある一つの方法でしか生存しません。人間のようにめったやたらと新しく効率的な大量捕獲の道具を編み出すこともしません。その代わりに、ある品種を絶滅危機に追い込むこともありません。植物の場合は、自然の枠組みの中で無理なく、生かし、生かされて生きる、そんな世界です。そんなバランスのとれた世界を人間社会でも欲しいものです。


■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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