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コラム

キム・ホンソンの三味一体
vol82 最後に勝つのはどっち?

2017-09-07

 先日アメリカで白人至上主義とそれに反対するグループの衝突がありました。白人至上主義の物差しで考えると、差別されて排斥を受けて当然なのは黒人だけではありません。アジア系の私達も有色人種ですから当然差別される側です。また、KKKなどが主張している白人至上主義は、ただ単に白人が一番偉いのだということだけではなく、白人こそが(精神面でも物質の面にも)このアメリカの真の所有主なのだと主張しています。
  
 すでに50年以上も前に、公民権運動が実を結び法律と制度が正され、もはや解決済みになっていたはずの問題が繰り返されているわけです。これはどういうことだろうかと考えると、もちろん経済の悪化とそれに伴う悪影響をすべて非白人と移民達のせいにするといった状況的な説明もあるかと思います。しかし根源的には、やはり私達自身の中のある悪(キリスト教では罪)がその原因であるとしか言いようのない状況を私達は目の当たりにしているのではないでしょうか。
  
 非暴力主義で公民権運動を勝利に導いたキング牧師は旧約聖書のある言葉に注目しました。「わたし(神)は、わたしの霊をすべての人に注ぐ。その日、わたしは、しもべにも、はしためにも、わたしの霊を注ぐ。」また、新約聖書では神の霊をこうも表現したりします。「真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。」要するにキング牧師は、白人達が黒人を法律や制度で持って組織的に卑しめ、自分達が劣等な人種であると信じ込ませようとしてきたが、それは絶対に出来ないと気づいていました。それは神の霊が奴隷の上にも注がれ、誰にも奪われることのない人間の尊厳が、自分達にもあるのだという真理を悟らせたからだと彼は確信していたからです。
  
 奴隷解放の偉業を遂げたリンカーン大統領は「一部の人達を常に、そして全ての人達を一時騙すことはできるが、全ての人達を常に騙すことはできない。」という名言を残しています。キング牧師の文脈からすると、どのような力でもってもすべての人を常にだますことができないのは真理の霊の働きがあるからだということになるのかも知れません。1862年奴隷解放が宣言されましたが問題は解決されず、再び1964年になって公民権法が成立しましたが、その53年後の現在またも白人至上主義の亡霊がよみがえったように見えます。しかし最後には必ず真理が勝利すると希望に燃える私、アジア系、中年男性、3児の父です!


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。

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