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コラム

苦楽歳時記
vol204 現在の状況

2016-06-23

 昨年の夏、右肺に転移していた癌が徐々にむき出しになって、出血がとまらなくなっていた。止血のための手術をしたが、肺に大きな穴が開いていたので、急きょ大手術となった。

 退院後しばらくして、またしても出血しはじめた。この時は、止血と癌細胞を縮小させる目的で放射線治療がなされ、目的は達成。次に備えた。

 この度の入院は、右胸部の癌細胞除去と皮膚移植手術のためのあらゆる検査をして、医師団が手術の可能性を協議する入院である。しかし既にインフェクションをおこしていたようで、免疫力が低下。抗生物質などの治療をするも、結局、医師団に手の施しようがないと言われて、最後通告を受けた。僕は自宅でのホスピスケアを選んだ。

 退院一週間後に、フォークロジャーの最終勧告を受けて、三日以内にこの家を出て行かなければならなくなった。家を失い、次の住まいも決まっていないので、家人と途方に暮れた。

 医師団から死の宣告を受けたというのに、どこまで試練が続くのだろう。

 そうこうしているうちに、日頃から私達家族のために祈り、支えてくれていた二つの教会から約三十人の信徒たちが、引っ越しに携わってくれた。ピックアップ・トラックを持参し、Uホールのトラックやストレージをかりてくれた。

 今、僕の家族がいるところは、サウスベイ・ジャパニーズ・クリスチャン・フェローシップの牧師館。二十五畳ほどの部屋を用意してくれて、鍵和田牧師夫妻が、こころよく迎え入れてくれた。信徒の方が出入りして、来客も多く、にぎやかで楽しい。

 不思議なことに食欲も旺盛になり、体調も良くなってきた。そして、平安な毎日を過ごしている。医師団の言うことと、神様のみわざは、また別のものである。

 神様の良きご計画を確信して、ホスピスケアを受けながら奇跡を信じるしかない。僕は少なくとも二十年は生きるつもりだ。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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