苦楽歳時記
vol148 ショートショート5
2015-05-21
『愛』
心を受けると書いて愛と読みます。
愛の本質は、他者を受け入れることから始まります。
共に喜び、共に悲しみながら、他者との絆は深まっていくことでしょう。
隣人を受容できなければ、あなたはいつまでたっても、浅瀬で、見せかけの愛と戯れているだけです。
◆ ◆
『奇遇』
通りを歩いていたら、強面の男に言いがかりをつけられた。
青年は負けまいと、つい口走ってしまった。
「僕はこう見えても・・・ 」
そう言ってから指をならした。
「お茶は裏千家、お花は未生流だぞ!」
「それがどないしてん このドあほ!」
強面の男は、青年のもとに近づいてきた。
「それは奇遇やのぅ わしも裏千家と未生流や! これから一緒におけいこに参りましょうか!」
◆ ◆
『回転』
大阪の回転寿司に連れていかれた。
チェーンコンベアが見当たらない。
平日の午後三時だというのに、目白押しの大盛況。
しかも、うまい、安い、ネタは新鮮。
この寿司屋は、客がフル回転する回転寿司屋だそうだ。
◆ ◆
『雲泥』(うんでい)
子供に日本語を教えています。
「雲泥の差」とは、どういう意味ですか?
「月とすっぽん」ってわかる? わかんない。
「天と地」は、ちょっとわかってきた。
「安倍総理と管元総理」。それを早く言ってよ! 完全にわかりました。
◆ ◆
『ないだろう』
アベノミクスは東京が発信地。
大阪にはないだろう。
ありますよ~だ。
日本一の アベノハルカス!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。