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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第211回異食文化、食べ物の恨みは怖い

2013-05-28

 人間は勝手な動物で、自分と無縁の食べ物をタブー化し、それを食べる人を排斥、軽蔑します。
 英国で、ハンバーグに続く冷凍ラザニアに馬肉が混入していたことが判明、ルーマニアの供給元を訴える騒ぎになっています。三○%~一○○%の馬肉がラザニアに混入していたそうです。
 馬の食用を禁じる法律が米国で成立した○八年、テキサスに二つ、イリノイに一つだけあった馬肉処理場が即刻、閉鎖されました。
 全米三ヵ所で毎年、約九万頭の馬が処理され、約六千百万㌦(五十四億円)の収益を上げていたそうです。
 英語圏で馬肉食はタブー。農場、馬術場、戦場で苦楽を共にした愛馬を食べるなどもっての外、という感情の表れとみられています。
 
 日本人は馬肉ばかりか鯨肉を食べるから、欧米の動物愛護団体に嫌悪の目でみられています。
 「馬も鯨も聖書に食べてよいと書かれていない」とか「あんな利口な動物を食べるなんて残酷」などと、独断と偏見に満ちた言い分です。
 犬肉を食べる韓国人も例外ではありません。「忠実なペット、狩猟の友を食べるなんて・・」と指弾する欧米人の感傷は一転して、怒りと侮蔑に変わっています。
 
 ○七年のフランスに続き英国、カナダが韓国産キムチの輸入を禁じたのは異食文化に同意できない気持ちの表れかもしれません。
 キムチ輸入を禁じた理由についてフランスは「中毒性が高く、脳細胞にダメージを与えるカプサイシンが多量含まれるから」、カナダは「アレルギーを誘発するエビなど材料成分の表示が不適切」と異食否定のコメントを出しました。
 とりわけフランスの物言いは高飛車でした。万一、同様の〝直球″を日本が投げていたら、ただ事では済まなかったでしょう。
 事もあろうに日本にけちをつけられたとなれば、国をあげて大反発のろしを挙げたはずです。
 食べ物の恨みは怖い!異食文化の否定は異民族の否定に繋がるのではないでしょうか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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jjgoto@sbcglobal.net

後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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