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コラム

苦楽歳時記
vol.11 牛と豚

2012-10-24

 神戸の北野町界隈で、異人館の油彩ばかりを描き続けてこられた、小松益喜画伯がまだ壮健であられた時分に、三宮にあるロシア料理のレストラン『バラライカ』へご一緒したことがある。
 
画伯は先ずボルシチを注文してから、すかさず「ロシアの豚漫」二人分を給仕に告げた。直ぐにピロシキの事であることが分かったが、具の挽肉は牛肉のはずだ。
   
豚バラ・ミンチが詰まっている中華饅頭のことを、関東では「肉」まんと呼び、関西では「豚」まんと呼んでいる。関西人には奇妙に思えてくる一つである。
   
昔、東京では、「肉じゃが」も豚肉が主流となっていると聞いたことがある。大阪あたりでは牛肉が常識だ。

東京に住んでいる畏友から教えてもらった。豚肉の入っている肉じゃがは、地域によっては「じゃがブー」と呼ぶ。
   
映画『ALWAYS三丁目の夕日64』で、すき焼きを食べる場面に豚肉が入っていた。往時の東京では、すき焼きにも豚肉を用いる習慣があったのだろうか。
   
近畿地方には世界に名高い神戸牛を始め、松阪牛(三重県)、近江牛(滋賀県)、そして余り知られてはいないが、和牛の誉れとして高名な羽曳野牛(大阪府)等の原産地が散在していたので、誰もが牛肉に親しむことができた。
   
一方、関東周辺には豚肉の名産地があったことから、供給が安定していたことと、厳冬を迎える東日本では脂肪分の多い豚肉が好まれた。従って東日本では「肉」といえば「豚」のことをさした。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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