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コラム

苦楽歳時記
vol.1 牡蠣くえば

2012-07-14

 牡蠣の旬は冬? イギリスではRのつかない月に牡蠣は食べない。ここアメリカでは一年を通して牡蠣が味わえる。日本の岩牡蠣は夏が旬だ。
   
フランス人とイタリア人は、心底から生牡蠣が好きだ。生牡蠣に目がないのはラテン系に限らない。本来、塩漬け、酢漬け、燻製などにしか親しみのないスカンディナビア諸国を始め、イギリス人もドイツ人も、滋養に富んだ新鮮な牡蠣に心を奪われる。

生牡蠣の食用はギリシア時代まで遡り、ローマ時代に入るとラテン詩人アウソニウスが、雪に詰めた牡蠣をローマ皇帝に献上している。
   
欧米における鮨ブームの成功には、彼らが生牡蠣を食していたからという下地があったからこそ、刺身や鮨に対して、さほど抵抗はなかったのではあるまいか。

牡蠣は、紀元前一世紀にはイタリアで養殖されていたという記述がある。また日本では元禄時代に、広島で牡蠣の養殖が始まっている。
   
日本では牡蠣の名産地が各地に散在する。どれもこれもが甲乙つけがたい味だ。三重県の的矢岩牡蠣を初めて食べたときは、正しく海のミルクだと思った。
   
去年の暮れから、生牡蠣を食べに行こうと友と約束をしている。六月にサンタモニカの『BPブルー・プレート』へ生牡蠣を食べに赴いた。

アメリカでは一般的な生牡蠣の食べ方は、レモンを絞り、すりおろしたホースラディッシュを生牡蠣の上に乗せて食べる。この食べ方に飽きてくると、持参したポン酢を数滴たらして食した。『BPブルー・プレート』はロブスター・ロール 二十二ドルと、ハンバーガー一九ドルもお薦めだ。
   
食いしん坊の僕はというと、かつてパリを訪れる度に、シテ島に近い場末のブラッスリーで、ブロン産の牡蠣をしこたま平らげた。パロディーの俳句を一句、「牡蠣くえば鐘が鳴るなりノートルダム」。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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