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コラム

龍馬ゆかりの人々
第62回 龍馬からお龍へ 2

2012-06-23

(前回からつづく)
 「鞆の浦にいろは丸を置き去りにしているのは宜しくない。紀州藩より何らかの挨拶があって良かるべきと思う。この事件がまた戦いの元となる。そうなれば後藤象次郎ともに土佐の軍艦を出してやっつける事になる。どうぞご安心あれ。まずはご安心ください。                        5月28日夕方 龍」
 手紙魔の坂本龍馬が最愛の妻に送った手紙は相当な数に上ると言われているが、現存しているのはただ一つ。何故か。
 龍馬の没後、土佐の坂本家に身を寄せたお龍は、坂本家に長居は無用と悟っていたのであろう。すべての痕跡を残さず土佐を後にした。しかし、一つだけ残したものがある。それはお龍の実妹・君江を千屋寅之助(高知県安芸郡和食村の庄屋)に託して坂本家を出る。
 知らぬ人たちはお龍を京都の水商売の女と思い込み、坂本家には不釣合いな人でさもありなんと噂したが、お龍は医師、楢崎将作の長女として茶道、香道、華道の嗜みがあった。父は長州の武家出身で青蓮院宮の侍医を務め、世が世なら商人とは結婚しなかったであろう。気の強いところがあるのは想像できる。
 千屋寅之助に嫁いだ君江夫婦の曾孫が、ここロサンゼルスにいる。以前、少しばかりコラムに書いたが、千家一族と龍馬との関わりを探求してみたい。その人は裏千家の会員なので、よく会う。もう一人、坂本家に嫁した曾祖母の家族もここにいる。
 龍馬がお龍に書いた手紙を見ると、龍馬とお龍の呼吸がぴったりと合っている。惜しむらくはもっと手紙がほしい。龍馬が見つけた女性の本名がお龍とは、不思議な糸の手繰り寄せだと思うのは考え過ぎだろうか。二人はかくあるべくして運命の糸に引かれていたと思うのは私だけではないだろうか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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飯沼信子

著述家。静岡県沼津市生まれ。歴史の中に埋もれた、海外で活躍した日本人、
その妻らを取り上げ、「野口英世の妻」「高峰譲吉とその妻」等の本を著す。
2006年、その功により、日本政府より旭日単光章を受章。日本ペンクラブ会
員、日本エッセイストクラブ会員。ウエストヒルズ在住。




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