Alice in WINEderland
Vol. 7 Rose Wine
2012-06-08
最近個人的に注目しているロゼワイン。東京では桜色を意識し、「お花見の定番ワイン」として親しまれるようになってきた。ロゼワインは、その可愛らしいピンク色から、これまでウェディングなどのお祝いの場のワイン、また、女子会のアイテムという認識が強かった。特に、米国ではアペリティフ・カクテルの代わりとして人気の高い、甘いホワイト・ジンファンデルのイメージや、このタイプのワインの色をお化粧の頬紅=ブラッシュカラーと表現することなどが関係していると思われる。
しかし、ここ数年、ソムリエの上級資格の試験でもロゼワインに関する知識が問われるなど、業界における注目度が加速。使用する葡萄の種類・ブレンドの割合は醸造家によって異なるが、白ワインのようなさらっとした口当たりの中に、ライトな赤ワインを思わせる心地よい厚みが感じられるスタイルが、最近の傾向のように思える。
その中で特にお勧めしたいカリフォルニアのロゼはVirage Rose Napa Valley 2011($25前後)とHitching Post PINKS Dry Rose Wine 2009 ($15前後)。Virage Roseはカベルネ・フランという赤ワインの品種が主体で、フランス・プロヴァンスで有名な作り手ドメーヌ・タンピエのスタイルを意識した、洗練されたエレガントな仕上がり。シトラス、スイカ、ミネラルの香りにハイビスカスティーを思わせるフレーバーが、休日の温かい午後に楽しむワインとしてもぴったり。PINKS は、米国のワイン映画「Sideways (2004)」に登場したワイナリーとして有名となったヒッチングポストのカジュアルライン。ヴァルディギエ(Valdiguie、かつてNapa Gameyとして知られていたが、使用名称が変更)とピノ・ノワールのブレンドでとてもフルーティーで親しみやすいスタイル。イチゴ、チェリー、その他の赤の果実の活気のあるアロマとフレーバーだが、フィニッシュはドライでクリーン。いずれのワインも幅広い種類のお料理に合わせやすく、食中ワインとして最適。ロゼワインをワインリストに掲載するレストランも増えてきたため、是非一度お試しを。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。