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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第168回 ドニヤ・パス号の海難事故

2012-04-30

 英国の豪華客船タイタニック号が大西洋上で氷山に衝突、沈没した日から数えて今月十五日でちょうど百年目を迎えました。
 死亡したのは乗客乗員合わせて一千五百十三人。
 事故は大々的に報じられ、幾度も映画化されたため、まるで海難事故の代名詞のように扱われています。
 一方タイタニックを上回る犠牲者を出しながら海難史の片隅におかれた、東洋の悲劇もあります。
 
 それはフィリピンのフェリー、ドニヤ・パス号と小型オイル・タンカー、ビクトル号が衝突、沈没した事故で、公称死者は一千五百七十五人。
 しかし乗客の大半は乗客名簿に名前を記載しなかったらしく、海運会社スルピシオ・ラインズ社調べによると、実は四千三百七十五人もの死者が出たとのこと。
 クリスマスを五日後に控えた十二月二十日(一九八七年)のことで、生存者によると、切符を持たない帰省客であふれ返った船は、最初から傾いていたそうです。
 ドニヤ・パス号はレイテ島のタクロバンからマニラへ向けて出航、ミンドロ島付近のタブラス海峡でビクトル号と衝突。
 八千バレル以上の石油を積んでいたビクトル号は大爆発、炎上。
 海に飛び込んだ乗客乗員らは燃える海で焼け焦げて死亡。たくさんの焼死体がミンドロ島に流れついたといわれています。

 ドニヤ・パス号の本体は実は日本人の手で建造された船です。
 一九六四年四月二十五日、尾道造船で完工、琉球海運のひめゆり丸として鹿児島港ーー那覇港、東京ーー那覇航路で活躍していました。
 一九七五年、フィリピンの船会社に転売されたあと、火災に遭い廃棄処分になりました。
 折からの船不足で再び改造に回され、一九八○年、ドニヤ・パス号として再起。その際、船体上部に違法なほど客室が増設されたそうです。
 
 白人、アジア人という人種の違いや信仰心の違いがドニヤ・パス号を海難史の片隅に追いやった最大の理由とみられています。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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