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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第98回 表現の自由って何?

2010-12-14

 自分の思いを自由に文章にしたり、絵に描いたりすることを「表現の自由」といっています。「自由」というから、どんな表現をしても許されると思いがちですが、それがそうでもないのです。具体例を示します。
 
 東京の教育界や父兄から「性的描写の漫画やアニメに、規制をかけてほしい」という声が出ています。
 もっともなので東京都と都議会は「青少年健全育成条例」の一部を改め、性的描写に満ちた漫画、アニメを書店の「成人コーナー」に移そうと考えています。
 これに反対するのが漫画家のちばてつやさんや秋本治さんら。ちばさんは「条例改正されれば漫画・アニメ文化がしぼんでしまう」、秋本さんは「自由度があるのが漫画の世界。作品は自分で責任をもって描いている」といい、むしろ作者の自主規制を望んでいます。
 しかしこれはいささか虫のよい言い分でしょう。俗悪漫画を一般店頭に置きたいばかりの発言で、未成年、教師、父兄らの健全な暮らしの権利と自由を無視しています。
 性的漫画を描く自由に対し、性的漫画を見たくない、あるいは(未成年に)見せたくない自由もあるとの配慮を欠いています。

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 日本の憲法は「人々の福祉に反しない限り」での自由を認めています。フランス人権法は「表現の自由の乱用については責任を負わなければならない」とし、ドイツ憲法は「言語、文書、図画による表現の自由は、少年保護法や個人の名誉権によって制限される」としています。

 歴史をかけて自由を手にした欧米では、「一○○%の自由のあろうはずはなく、どんな自由も他人を害しない範囲で許される」と考えています。同時に、視覚上の性的表現物を一般書店で扱うことを禁じています。取り扱いはアダルトショップと「成人コーナー」を設けたニューススタンドに限っています。
 欧米人は日本の漫画、アニメを「とてもクール」と認めています。この好評価に釣り合うよう、表現の自由についても漫画家の成熟した対応を期待しています。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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jjgoto@sbcglobal.net

後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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